2020/06/25
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敏腕キャピタリストの着眼点
第10回
投資先を決めるポイントは自らの「課題」に合致しているかどうか 【前編】
- 組織
- 経営
今回の登場者は、ベンチャーキャピタル会社、STRIVE(ストライブ)の代表パートナーをつとめる堤達生さんです。STRIVEは「努力する、励む、闘う」という意味の英語であり、その言葉に象徴されるように、同社はベンチャー企業に資金を提供するだけではなく、「同じ船に乗るパートナーとして、自分たち自身も汗をかく究極のハンズオン・ベンチャーキャピタル」を目指しています。
堤さんは高校の頃は演劇に熱中、多数のオーディションを受け、男優の登竜門「ジュノン・スーパーボーイ」にもノミネートされるほどの演劇少年でした。大学時代にベンチャーキャピタリストという仕事の存在を知り、一転、今度はそれに恋い焦がれます。
大学卒業後は銀行系コンサルティング会社、独立系ベンチャーキャピタル会社を経て、サイバーエージェント、リクルート、GREE(グリー)において、いずれもベンチャーキャピタル事業の立ち上げを担いながら、自らも新規事業の創発に取り組むという経歴を歩んできました。
現在は、事業経験豊富なうえに、自らもSTRIVEを立ち上げて経営するという異色のベンチャーキャピタリストとして注目されています。そんな堤さんに、これまでの経験を通じたキャリアの話、投資を決める際のポイントを伺いました。
本インタビューはzoomにて行いました。 通常の写真と異なりますことご了承ください。
井上 まず最初に、そもそもベンチャーキャピタリストという仕事を目指したきっかけからお伺いできればと思います。
堤 大学時代のことです。あるベンチャーキャピタリストの人を招いた勉強会が学内であって、たまたま参加して話を聞いたら、目から鱗でした。世の中にこんなに面白い仕事があるんだと、初めてその存在を知りました。自分もぜひやってみたいと。21歳の時でした。
その人に聞いたら、「新卒ではすぐになれない。若い時にいろいろな経験を積んでおいたほうがいい」というので、それならコンサルティングの仕事がいいだろう、と思い、卒業後は三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)に就職しました。
そこには3年半ほど在籍したのですが、最初の1年は銀行に出向していたので、コンサルをやったのは2年半くらいです。その後、グローバル・ブレインという、できたばかりの独立系ベンチャーキャピタル会社に移り、ベンチャー...
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