TOP 社長を目指す方程式 いま上司が意識すべきコロナ後の変化 「第三のニュー・ノーマル」到来

2020/05/26

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社長を目指す方程式

第40回

いま上司が意識すべきコロナ後の変化 「第三のニュー・ノーマル」到来

  • キャリア
  • ビジネススキル
  • マネジメント

上司の皆さんにとっての、働き方の「ニュー・ノーマル(新常態)」 

【コミュニケーションの新常態】
3密回避のため、読者の皆さんの多くが現在、リモートワークに踏み切られていると思います。これまで以上にメールやSaaSツール、グループウエアなどを使った業務を行うようになり、社内外の会議は一気にZOOMやGoogleMeet、Microsoft Teamsなどのビデオ会議にスイッチされました。コロナ明けには一定のものが対面型に戻りますが、一方ではこれを機会にかなりのオンライン・ミーティングやオンライン業務が継続されることになります。 

コロナ後の<新常態>としては、オフラインと同等以上にオンラインが選択されるのではないでしょうか。上司の皆さんにはデジタル・コミュニケーション力、オンライン・リーダーシップ力が欠かせないものとなりました。 

【オフィスの新常態】 つい数カ月前まで都心部を中心にバブル期を上回る空前の空室率の低さが続いていましたので、誰がこのような「オフィス不要論」の時代が一気に到来すると思っていたでしょう?ドワンゴやGMOグループが大幅なオフィス縮小策などを打ち出し話題となっており、新型コロナ禍で業績が苦しくなったベンチャーなどがオフィスを全解約したなどのニュースが取り上げられています。

オフィスを全廃する企業が多勢になるとは思いませんが(まともな経営をするならばライブで従業員が集まる場は絶対に必要です)、これまでのトレンドであったオープンスペースやフリーアドレスは従業員リスク回避の観点から廃れざるを得ません。オフィスでの3密回避としてはパーテーションなどの仕切りのあるデスク、ブース型のデスクがデファクトになっていくでしょう。 
賃料削減コストが執務内環境整備へ回されることになるのではないかと思います。

【労務管理・雇用形態の新常態】 
別の場でも書いたりお話ししたりしているのですが、現在の日本の労働法は、雇用者を「時間」でしか管理できません。これと今各社が対応している在宅ワーク、リモートワークなどをやりやすい労務管理には不整合が多く、今後、各所で議論が沸き起こり是正されていくことを期待しています。実体論としては、大きな流れとして「時間」ではなく「成果」で労務管理・雇用契約するかたちに移行する流れは押しとどめようないと思います。そうすると、これまで働き方改革で議論されてきた「正規・非正規の同一労働同一賃金」問題や、複業対応、社員と外部委託者との関係なども、一気に整理されていくのではないでしょうか

これまでの「正社員」価値観で働いていると、同じレベル(あるいはそれ以上?)の成果を出せる「非正規社員」や「外注者」との差分が一気に均され、その人の本質的な仕事力が問われることになりますから、<仕事をしている振り・つもり>の人は要注意です。 

プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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