2020/03/12
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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
第64回
書籍で学ぶ人工知能と協業する技術
- キャリア
- ビジネススキル
- 木田 知廣氏 シンメトリー・ジャパン 代表
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プログラミング必修化時代の意外なわな
小学校でプログラミング教育が必修化されるというニュース、を知っているでしょうか。それも、来月にも始まる新学期からです(2020年4月)。 「そんな、急に言われても……」、と戸惑う人にこそ読んでほしいのが私の新刊、「プログラミングとロジカルシンキングが一気に分かる本」です。 というのも、実は筆者は子供のプログラミング教育で手痛い「失敗」をしているから、この経験が、本書を執筆する大きな動機になりました。 当時、筆者の息子は小学校4年生。「今のうちからプログラミングを学ばせよう」と某ITスクールの全6回の講座に申し込みました。
事前の期待としては、プログラミングの仕組みを理解させてほしかったんです。あるいは、それを踏まえてプログラミングをいかに「使うか」ということに触れてほしかった。でも、その観点での収穫はゼロ。「慌てて目の前のものに飛びついてもダメだよな~」と残念な気持ちになりました。
◆プログラミングと協業するかがキャリアを決める
ここまで「残念」と感じてしまうのは、筆者が「教育」を仕事にしているからです。分野は大人向けのビジネス教育。自称で「MBAの三冠王」とうたっているのは、自身がMBAで学んだだけではなく、グロービス経営大学院の前身プログラムでMBAを創り、そして、現在は米マサチューセッツ大学でMBAを教えていることによります。ですから子供の教育に関しても、「この子が大人になったときに役立つスキルは何だろう?」といつも考えています。そんな筆者は、子どものプログラミング教育が必須化されることには大賛成です。しかしその中身は、「先生に言われた通りアプリを作る」ではないはずです。むしろ大事なのは、目の前の問題をプログラミングを使ってどのように解決するかであり、その過程で物事を筋道立てて考える力を養うことです。なので冒頭に紹介した経験は残念でなりません。
翻って、ビジネスパーソン。人工知能(AI)が本格稼働する中、いかにしてプログラミングと協業するかは、今後のキャリアの明暗を分けるポイントです。決まり切った仕事をやるだけで、考えるスキルがない人は遅かれ早かれ人工知能に取って代わられます。実際、日本を代表するような大手企業の、「○歳以上を対象としたリストラ」などのニュースはこの予兆です。