2020/01/15
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成功する経営者は皆、多読家。「TERRACEの本棚」
第86回
「無意識」を誘導すれば、仕事のパフォーマンスが向上する
- 組織
- 経営
- 石田 匡弘氏 ぱる出版 営業部 課長
成功する経営者は皆、多読家。
「TERRACEの本棚」では、成功している経営者が注目している、読んでいる書籍をご紹介してまいります。
今回は、『(無)意識のすゝめ』。
本書の編集を手掛けられた、ぱる出版の石田匡弘氏に見どころを伺いました。
みなさんは、こんな経験はありませんか?
大学のゼミ発表や会社のプレゼンテーションを控え、直前まで必死になって資料などの準備をし、ついに本番を迎えます。ところが、一生懸命準備したにも関わらず、いざ大勢の人の前に出た途端、頭の中が真っ白になり、喉はカラカラ、言葉が全く出てこない。自分が何を話しているのかきちんと把握できないまま発表が終了し、その場にいた人達の視線が自分に冷たいような気がする。緊張して集中できず、結果は大失敗だった…。
緊張する、集中できない、というのは心の問題です。ただ、心というのは、なかなか計算通りに動くものではありません。世の中には、イヤなこと、やりたくないことがたくさんあります。
例えば、大勢の人の前で話さなければならない、知らない人に営業をかけねばならない、明日までに企画書を提出しなければならないのに全く集中できず1ページも進まない…という状況に置かれた場合、そこから逃げ出したいと思う方が多いのではないでしょうか。
本来、心はイヤなことを拒絶するものです。自分の心なのに思うように操れないのが現実です。
心は意識している領域が1割、無意識の領域が9割といわれています。そして無意識はその名の通り、意識して操作できるものではありません。
よく「緊張するな、集中しろ!」みたいな言葉が仕事やスポーツの世界では横行していますが、それは心に無理強いしている状態です。結果、ますます緊張し、雑念が入って集中できなくなってしまう場合がほとんどです。
では、この無意識を操作するには、どうしたらいいのでしょうか?
ここでハリウッド俳優の登場です。彼らは、緊張せずに大勢の前で演技し、流暢にスピーチをします。彼らは、もともと特別な人間なのでしょうか?
答えはNOです。
ならば、どのようにして彼らは、緊張しない心を手に入れたのでしょうか?
その答えは、「メソッド演技」というメソッドにあります。これは、無意識を動かす手法を取り入れた演技理論である、「スタニスラフスキー・システム」の心理的アプローチの部分を改良し、現代的にアレンジしたものです。
この教えの根幹にあるのは、直接操作できない「無意識=心」を、対象(やりたいこと)に誘導するというもの。ハリウッド俳優は、これを修得することにより、人前で緊張しなくなり、超集中力を身につけることができたのです。
また、無意識を誘導する技術は、何も演技の世界だけにとどまるものではありません。日常の悩みの解決や仕事のパフォーマンスを向上させることにも応用できるのです。それに着目したのが、本書の著者...
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