TOP ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術 効率アップを目指す、プレマネが知っておきたい「任せるコツ、5選」

2019/09/13

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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術

第46回

効率アップを目指す、プレマネが知っておきたい「任せるコツ、5選」

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◆「できるマネジャー」ほど自分でやったほうが早いと考えるが、それではいつまでたっても状況は変わらない。

今、課長職の99%が自分のプレイング業務を抱えたままに、マネジメントをしているといわれています。いわゆる、プレイングマネジャーです。   そこで、ジレンマになるのが、自分の業務があるため、マネジメントが中途半端になってしまうというもの。十分に部下との会話はもちろん、先を見越した仕事ができていないのが実情ではないでしょうか。   実は、仕事ができるプレイングマネジャーこそ注意が必要です。私は、年間200回程度の企業研修に登壇しています。すると、ほとんどのプレイングマネジャーは忙しく、休憩時間もずっとPCにかじりついています。中には、食事をする時間がないという人もいます。

自分でやったほうが早いと考える「できるマネジャー」ほど、そうなっているのです。

 

この状況の対策は、ただ1つ。もっと「仕事を任せていく」しかないのです。私が書いた『プレイングマネジャーの基本(かんき出版)』は、そのコツを紹介したい思いで書いた一冊です。今回は、その中から、プレイングマネジャーが知っておきたい「もっと、任せていく」ための実践のコツを紹介します。

 

◆任せるコツ1:「連結ピン」を持つ、と決める

プレイングマネジャーがめざす職場のスタイルは、「自主運営」型の組織です。

 

職場内のミニリーダーを決めて、どんどん、あなたのマネジメント業務を移譲していきましょう。ここで、覚えておきたいキーワードは2つ。「スパン・オブ・コントロール」と「連結ピン」です。

 

スパン・オブ・コントロール とは、企業内で上司が直接に管理できる部下の人数のことを言います。一般的には、5~7人程度といわれていますが、プレイングマネジャーとなると、個人の業務もありますので、この半分位2~4人程度と考えるのが適正です。

 

連結ピンとは、組織内のコミュニケーションを円滑化するには、「介在役(連結ピン)」が必要という考え方。もし、2~4人を超えるようなら、このミニリーダー(連結ピン役)をチーム内に置くことです。

 

権限移譲によって、マネジメントの負担を軽くしながらも、部下の主体性を高められる組織を作ることこそが、プレイングマネジャーが、やっておくべきことなのです。

 

◆任せるコツ2:「任せる範囲」を決める

まず、決断をしてください。「任せるリーダーになる」と。というのも、プレイングマネジャーは忙しく、やはり任せないと、とても追い付かないからです。3つの決断をしてみてください。

 

  • 決断1:早々に、マネジャー(自分)のプレイング業務を引き継ぐ(重要な仕事ほど、手放したくないと思うもの。でも、重要な仕事を積極的に任せる! サポートすれば引き継げるはず)

  • 決断2:チームの業務も部下に任せる(例えば会議の進行、新人の育成、提出物のチェック、部署内の広報など、数字の進捗確認なども部下に任せる。)

  • 決断3:任せる際は、同時にチーム全体の業務量を減らす。(でないと、任された部下がパンクしてしまう。)


 

あなたの重要な仕事、さらにはチームの業務まで、任せることで、あなたの手間が省けるだけでなく、部下に成長の機会を提供できるのです。

 

◆任せるコツ3:未熟な部下の「ミス」は投資コストだと、割り切る

でも、ひょっとしたら、こう思ったかもしれません。うちの部下は未熟だから、任せられない……と。

 

部下は必ずミスをします。マネジャー自身が失敗への許容度を高めておくことです。この失敗への許容度とは、「セルフコンパッション」といわれ、自分の失敗、他人の失敗を許せる力を指します。自分でうまくできるマネジャーほど、失敗への許容度が低いことが多く、任せられないのです。

 

そもそも、ミスと失敗は違います。失敗とは、「挽回できない、致命的な事件」。そう考えると、ほとんどのミスは、失敗ではなくなります。

 

例えば、納期に遅れた、発注ミスをしてしまった、プログラムを間違えた、もちろんどれも見過ごすわけにはいかないミスですが、失敗のうちには入りません。

 

プロフィール

  • 伊庭 正康氏

    伊庭 正康氏

    株式会社らしさラボ 代表取締役

    1991年リクルートグループ入社。
    営業としては致命的となる人見知りを4万件を超える訪問活動を通じ克服。プレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で、年間全国トップ表彰4回を受賞、累計表彰回数は40 回以上。

    その後、営業部長、フロムエーキャリアの代表取締役を歴任。 2011年らしさラボを設立。
    リーディングカンパニーを中心に、年間250回のリーダー研修、営業研修、コーチング、講演を行っている。リピート率は9割を超える。

    著書は、『計算ずくで目標達成する本(すばる舎)』『できるリーダーは、「これ」しかやらない メンバーが自ら動き出す「任せ方」のコツ(PHP研究所)』『強いチームをつくる!リーダーの心得(明日香出版社)』『残業ゼロだからこそ目標達成!!本気でやるチーム時短術(明日香出版社)』など多数。

    その活動は、日本経済新聞、日経ビジネス、など多数のメディアでも紹介される。

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