2019/09/05
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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
第45回
いくつになっても「求められる人」の小さな習慣
- キャリア
- ビジネススキル
- 中谷 彰宏氏 作家
お客さまは、お店の人に「すみません、次にやりますから」と言ってもらえると安心します。商品が来なくても、列が前に進まなくても、そのひと言で「ちゃんと気を付けてくれているんだな」と思えるのです。
締め切りに関しても、「今はこんな状況ですから、○○日後になります」という連絡があると、ほっとします。「連絡するヒマがあったら、締め切りギリギリまで頑張る」というのは仕事をする側の論理で、相手にストレスを与えます。
対お客さまでも、対上司でも同じです。「私はこんなに一生懸命仕事をしています」と思い込んでいると、上司のストレスを取り除くことを忘れてしまうのです。
部下は、上司のストレスの防波堤になることが大事です。
◆めんどくさそうな気配が、信用を落とす
仕事を頼んだ時に、「めんどくさそうな対応」をされることがあります。上司から部下だけではありません。部下から上司にでも、あります。返事一つ、立ち上がり方一つ、全ての動きにめんどくさそうな気配が漂っているのです。
それが上司のストレスになります。
その分かれ目が、「ハイ」と「ハァイ」です。「ハァイ」という返事をされると、「忙しい時に悪いことしちゃったかな」「今ここで言っちゃいけないのかな」と、上司は気を使います。
「今、忙しい?」と聞かれている時点で、返事が「ハァイ」になっていたことに気づいた方がいいのです。「ハイ」と「ハァイ」は、圧倒的に違います。「私はめんどくさそうにしていません。忙しそうにしているだけです」と言う人がいます。
実際には、忙しそうにしている人は、めんどくさそうに見えます。求められる人になりたくて、部下はつい忙しそうにしてしまいます。「私はこんなにやっている」と、アピールするのです。
ミーティングのアポの打ち合わせでも、「今からでも大丈夫です」と言って「おまえ、ヒマなのか」と思われたら困るので、忙しぶりが始まります。なんとなく忙しぶることが能力を見せるアピールポイントだと思い込んでいるのです。
これは大きな勘違いです。
求められない人は悪い人ではありません。求められるポイントを勘違いしているだけのことなのです。
めんどくさそうにしないことが、求められる人の習慣なのです。めんどくさそうにすることで、雑用を減らしたいと思うなら、その作戦は成功です。めんどくさそうにする人に、仕事を頼まなくなるからです。仕事を減らすためには、求められない人になればいいのです。
頼む側は、めんどくさそうにされることで、「ああ、この人は、『求められない人』を目指しているんだなと感じます。「なら、希望通りにしてあげよう」と、求めなくなります。
もし、「求められる人」になりたいのなら、仕事を増やそうと考えることです。
「求められる」とは、めんどくさい雑用が増えるということなのです。年齢を重ねるほど、「求められる人」と「求められない人」しかいなくなります。
真ん中の人はいないのです。格差が、どんどん広がります。どちらに入るかは、自分自身で選んでいるのです。
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■書籍情報
『いくつになっても「求められる人」の小さな習慣』
著者:中谷彰宏
出版社:青春出版社
価格:1,458円(税込)
※この記事は、アイティメディア株式会社の許諾を得て
「ITmediaエグゼクティブ『ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術』」
の連載から転載したものです。無断転載を禁じます。
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