2019/08/06
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社長を目指す方程式
第19回
言動から「相手の癖」を分析 上司に薦める部下・取引先との関係改善術
- キャリア
- ビジネススキル
- マネジメント
- 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
最後にアナリティカルとのコミュニケーションですが、無口で感情を抑えるアナリティカルは「何を考えているのか、想像が難しい」といわれがちなタイプです。だからこそ、アナリティカルに対して感情的な対応は絶対にNG。このスタイルには相手は悪気がないことを認識して、辛抱強く対処するのがベストです。
なかなか決断してくれず時間がかかり、無口なので何を考えているのか分からないのがアナリティカル。打ち合わせや商談においては、実際に頭の中で整理しているだけですから、アナリティカル相手に限っては、沈黙のままで無問題。「また、考えた上で電話する」と言われても、通常は信用できませんが、アナリティカルの場合は信用してOKです。ただし回答までに時間がかかることが多いですから、お互いが合意するデッドラインを決めておくことが重要ですね。またデータを重視しますから、仕事で決断を求めるようなケースでは根拠となるデータを提示するといった工夫も有効です。
いかがでしたか?
部下や上司、あるいは取引先相手とのコミュニケーションにおいては、自分の「言い方の癖」を知り自覚することも非常に大事ですが、何よりも、自分と異なる相手のコミュニケーションの癖を知ること、自分と相手は異なるのだという自覚が第一歩。
その上で、相手の「言い方、訊き方」に合わせてコミュニケーションできることもリーダーとしての社会対応力の基盤となります。
自分と異なるタイプというのはストレスのかかるものですが、「異なるのだ」「どう異なるのか」というところを具体的に知っていれば、そのストレスもだいぶ軽減されるものです。
この理論の活用はリクルートグループ(リクルートマネジメントソリューションズ社)が「STAR研修」として対人スキル向上研修を提供しています。私も20代の頃に所属部門で受講させて頂き、その後長らく大変役立っています。
まずは今回の記事を熟読頂き、ぜひ周囲の部下たち、上司たち、取引先など(やご家族にも)に使ってみましょう。これまで難しく感じていた人がいらっしゃったら、これを契機に相手の反応、相手との関係性がガラッと改善するかもしれませんよ。
※この記事は、「SankeiBiz『井上和幸 社長を目指す方程式』」の連載から転載したものです。
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