2019/07/11
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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
第38回
一流の“動線思考”は、「満員電車には乗らない」
- キャリア
- ビジネススキル
- 原 マサヒコ氏 プラスドライブ 代表取締役
◆動線を少しずらすだけでも大きなリターンが
先ほどの朝のエレベーターでもそうですが、日本人は人と同じ行動をすることが多いために“行列に並び過ぎ”ではないでしょうか。給料日後の銀行や郵便局でもいえますが、大勢が同じタイミングに同じ動線をたどり過ぎています。満員電車に詰め込まれる。エレベーターを6時間待つ。休憩時間も行列に並ぶ……。あなたの人生における貴重な時間は、そんなことに費やしていいのでしょうか。あらかじめ行く場所が決まっている場合には「そこがいつ混むのか」「いつ空いているのか」は最低限、把握しておくべきです。そして可能な限り空いている時間を狙っていきましょう。
ランチだったら少し早目の11時半頃に行くことはできないのでしょうか。ランチタイムを勝手に変えることが会社で禁止されているとしたら、その会社全体が非効率だといえるでしょう。その制度から考え直した方がいいと思います。
給料日後の銀行の行列も、日程をずらすためにできることはないでしょうか。とにかく人が少ない時間に行動するだけで無駄な時間を余計に過ごさなくて済むのですから、何としても考えて変えてみるべきことなのです。
これは仕事だけでなく、映画に行くとか遊園地に行くとかレジャーの際にも同じことがいえるでしょう。少し混雑タイミングをずらすだけで快適に楽しめるようになりますし、飛行機やホテルなどは料金が安くなります。
◆「無人レジ」に並ばないなんて、ただの思考停止
小売店などではレジに行列ができやすいものですが、最近よく見かけるのが「無人レジ」です。これは動線として選択しない手はないのですが、どうも並ばない人が多いようですね。以前にTwitterの投稿でも話題になっていたのですが、あるレンタルビデオ店で「無人レジで会計をするとポイントが2倍」と案内されていたのにもかかわらず、ほとんどの人は有人レジに行列を作り、無人レジに並ばないのだそうです。時間が短縮できてポイントも多くもらえるのに意味が分からないですよね。そこでなぜ有人レジに並ぶのか、と並んでいる人に聞いてみると、「どうせお金を払うなら人にやってもらったほうが得だ」という意見があったのだそうです。
これは根本的に間違っている考え方です。そのお店で払ったお金によって、無人レジが導入されているわけです。そしてその無人レジに並ぶことで並んだ人は時間を生み出すことができるし、お店は人件費を浮かせてさらに利益を出すことができる。そうやって世の中は進化を遂げていくはずなのですが、並ばない人は厳しい言い方ですが“思考が停止してしまっている”といえるのではないでしょうか。
このレンタルビデオ店に限らず、新幹線の券売機でも同じ現象が見受けられますよね。券売機はガラガラで、みどりの窓口に長蛇の列ができている。そして、それは券売機でもできることなのに並んでいるわけです。
結局、よく分からないものは使いたくないのではないかとも思うのですが、思考停止して分かろうとしていないだけではないでしょうか。動線をずらすこと。新しく作り出された動線をすぐに理解すること。私たちにはこういった動きが非常に重要になってくるのです。
投資の世界では「人の行く裏に道あり花の山」という格言がありますが、まさに人と同じことをして安心するのではなく、なるべく人が少ない動線を選んでいかなければ、その人生の道のりに花が咲くことは無いのだと思います。
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■書籍情報
『トヨタで学んだ動線思考 最短・最速で結果を出す』
著者: 原マサヒコ
出版社:祥伝社
価格:1,512円(税込)
※この記事は、アイティメディア株式会社の許諾を得て
「ITmediaエグゼクティブ『ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術』」
の連載から転載したものです。無断転載を禁じます。
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