2019/02/21
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異能の経営者 ~ I know. ~
第16回
【メドピア 石見氏】貧乏、浪人、赤字の給料――。医師になる為の苦闘。(Vol.1)
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- 石見 陽氏 メドピア株式会社 代表取締役社長 CEO(医師・医学博士)
■自分を引き上げてくれる「器」を選んで東京へ
――そうして無事に免許を取られたと。そうですね。そこから病院に勤めるわけですが、実は大学に通い始めて2年目ぐらいから「卒業したら絶対に関東へ帰ろう」と思っていました。
――それはなぜですか?
信州は雪が多いし寒すぎるので……。1年目は楽しむんですけど、2年目ぐらいから「さすがに関東出身者には寒いよね」と(笑) あとは、何となくの閉塞感もありましたね。 ――閉塞感、というと?
これは田舎特有だと思うんですけど、人口20万人くらいの都市ってだいたい皆が目の届く距離にいますよね。車ですれ違うときに必ずお互いに顔を見るとか、どこかにデートしたら「昨日あそこにいたよね」っていう話になるとか。
――ああ、それは狭い感じがしますね。
あと、盆地なので山に囲まれていて。暮らしやすくていい部分もある反面、ずっとそこで生活するというのは、刺激もないしちょっと抵抗があるなあと思って。
――物理的にも対人的にも閉塞感を感じてしまったわけですか。
そうですね。自分の性格を考えても、周囲に影響を受けやすいんです。
――周りに影響されないように見えますけどね。
自分が所属する器があったとして、そこに入ると僕は大体「中の上」ぐらいの位置にいられるんです。どんな器でも。「上の上」には絶対に行けないんですが、「中の上」とか、「上の下」ぐらいにはいられる。例えば学校での勉強だとか、医師としてのスキルレベルでも、だいたいそのぐらいなんです。
――なるほど、器によって自身が変化するわけですね。
そう、だから信州という小さい器よりも、人が多く集まる場所や、意識高い系の人が多いところに行けば、それなりに自分も磨かれるんだろうなと思っていて。そういった理由もあって、行くなら東京かなと。それで東京女子医大を選びました。
――なぜ東京女子医大を選択されたのでしょうか?
どこを選んでも良かったんですけど、女子医大であるがゆえに男性は全員外部からの傭兵部隊みたいだったんですね。だから学閥がなくて、その風通しのよさが結構気に入って。