2019/02/21
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異能の経営者 ~ I know. ~
第16回
【メドピア 石見氏】貧乏、浪人、赤字の給料――。医師になる為の苦闘。(Vol.1)
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- 経営
- 経営者インタビュー
- 石見 陽氏 メドピア株式会社 代表取締役社長 CEO(医師・医学博士)
――お父さん側の「大工」の影響というのは、あまり受けてはいないですか?
父方は6人兄弟のうち4人が大工なんです。だからなのか家訓みたいなのがあって、「いい大工の周りにはいい職人が集まる」っていうのは父親がよく言っていましたね。
――それはどういうことでしょうか。
大工って家を建てるチームのチームリーダーみたいな感じなんです。大工が中心にいて、タイル職人を呼んで、ペンキ職人を呼んで、水道屋さんを呼んで、みたいな。そういった意味でのチームリーダーですね。だから「大工が駄目だと周りの職人も駄目だ」みたいな話は、なんとなく自分の心に残っています。
――それはとても興味深い話ですね。
変わった家なんだろうと思いますけどね。兄と妹と5人家族なんですけど、父親がいわゆる脱サラをして保険の代理店をやっていて、正直わりと貧乏だったんですけど、夜ご飯は必ず一家団欒でした。冬は掘りこたつにミカンが置いてあって、皆でニュース番組を見ながら、あれこれヤジを入れるのが日常的な風景で。まあ、よく言えばディベートを毎日していたみたいな感じですかね。 ――その家庭から医学部を目指す、と。
そうですね。兄が先に行って、「大学生って楽しそうだな」と思って。とはいえ僕の場合、現役で入れなかったので一浪をしていて、浪人の時はかなり勉強しました。それでなんとか入れた、と。
――医学部に入られてからも、医師免許を取るために勉強されるんですよね。
あまりしなかったですね(笑) 実習とかは頑張ったんですが、だいぶ不勉強な学生だったと思います。最近は出欠とかもきちんととるみたいですけど、僕の大学時代は、「大学の教官が出欠をとるなんていうのはカッコ悪い」みたいな風潮でしたね。「試験にさえきちんと通ればいいんだ」みたいな。