2018/11/30
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私が経営者になった日
第7回
【SOU 嵜本氏】「商売人」から「経営者」へと、主語が変わった。(1/4)
- キャリア
- 経営
- 経営者インタビュー
- 嵜本 晋輔氏 株式会社SOU 代表取締役社長
●「自分が」いなくても成長できる組織へ。
「ただ『社長』というよりも、自分は『経営者』だと思うと、腹落ちするのです。私はもともと商売人だったんですよ。どうやったらこれを高く売れるか、を当たり前のように考え続けてきた。それで今思い返すと、その『商売人』から『経営者』になり変わったというのが、SOUの創業に至る2009年から2011年の、リユース事業を成長させた時なのです。
どういうことかと言うと、『自分が』ではなくて、『会社が』、『組織が』どうなるか、というように、主語に、そして行動にも変化が生まれていったのです。
自分が鑑定士や買取として商売の最前線に立ち続けることは、短期的なリターンにはつながるけれども、組織の中長期的な成長にはつながりにくい。なぜなら、部下に仕事を任せられないから。そこで、『自分が』ではなく、自分の分身をどれだけ作れるかというふうな考え方にシフトしました。」 2010、11年には、徹底的に嵜本氏自身が採用業務に入って、自分の分身となるような社員を積極的に採用。どんどん買取業務を任せていった。
「彼らが活躍できるような店舗を作り、資金調達も行いました。人の採用も含めて考え、組織を作り始めたのです。その結果、リターンが大きくなり、事業がぐんと成長できたのです。
自分自身がまず自分の価値を見極めること、そして自分にないものを周りに整えること。かつ、その周りの一人ひとりの個性までも見抜いて、より適正なポジションでフォーメーションを作ること。これが自分にとっての『経営」だという気がします。
2010年に、そこまで今ぐらいの視野で考えられたかと言うと、全然できていなかったですね。鑑定士や買取営業マンとしての自分の立場を手放して、分身を作って、彼らが自分がいなくてもできることをまず作った。それが今で言うと、経営者の第一歩みたいな感じであったかなと考えています。」
(構成・文/阪本淳子)