2018/10/11
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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
第11回
人とは違う生き方をしよう
- キャリア
- ビジネススキル
- 中谷 彰宏氏 作家
自分らしく生きている人は、自分らしさになんかこだわりません。「自分らしく仕事をしたい」と言っている人は、自分らしく生きていないのです。「自分らしさ」という言葉を忘れた瞬間に、その人は本当に自分らしく生きています。
人生を生きていく上で大切なのは、自分の個性を大切にして、自信を持って生きることです。「好きなことをして生きていきたいのに、それでは食べていけない」と言って、自信がくじけています。「個性」「自信」「稼ぐ」の3つのことは共存可能です。
それができるように、「自分らしさ」と「好きなこと」という言葉の定義をし直した方がいいのです。
■個性とは、「人と違うこと」だ。他者が認めることは、個性ではない
「ビジネスを始めた理由は、世間を見返すことです」という経営者がいます。個性とは、他者承認を求めないことです。人と違うことを恐れていては、個性は発揮できません。そもそも日本人社会は人と違うことを恐れる社会です。面白いことに、そこにネットが入ってくると、人と違うことを恐れることが加速します。大勢が憧れるブロガーは、みんなから距離が近くて理解しやすい人です。ふだん美術館に行かない人は、印象派を中心とするいわゆるメジャーな作品の時だけ行きます。地方の美術館は、何年か予算をためて印象派の美術品を買います。それでそこそこのお客さまが入ることで満足します。モダンアートは絶対に買いません。
一方、今日のプライベート美術館は、初期の印象派など、当時はまだ評価が定まっていなかったコンテンポラリーアートをたくさん買っています。西洋美術館のもとになる旧・松方美術館もそうです。
まずは「人と違うことを恐れない」というスタンスに立つことです。他者から評価されなくても、ビクビクしないことが大切です。ネット社会をつくった人とユーザーとでは根本的に違います。つくった人は、人と違うことを恐れない人たちです。ユーザーは、人と違うことを恐れる人たちです。これが「ネット資本主義」です。
「恐れる人が、恐れない人に搾取される」のが資本主義の本質です。自分がどちら側にまわるか、ということなのです。
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■書籍情報
『人とは違う生き方をしよう。』
著者:中谷彰宏
出版社:秀和システム
価格:1,404円(税込)
※この記事は、アイティメディア株式会社の許諾を得て
「ITmediaエグゼクティブ『ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術』」
の連載から転載したものです。無断転載を禁じます。
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