2020/06/04
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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
第69回
「強い会社」に変わる仕組み。新型コロナで問われる変化適応力
- キャリア
- ビジネススキル
- 松岡 保昌氏 株式会社モチベーションジャパン代表取締役社長
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◆新型コロナの影響で、ビジネス環境が大きく変化した。
「生き残る種というのは、最も強いものでもなければ、最も知的なものでもない。最も変化に適応できる種が生き残るのだ」 これは、進化論で有名なチャールズ・ダーウィンの格言だ。 まさに今回の新型コロナウイルスが世界に与えた影響によって、それぞれの会社を取り巻く環境が大きく変わった。 どの会社も変化適応力を試されようとしている。 これからの時代に特に求められるのは、下記の3つの強さだ。
2、やるべきことをやり抜く「強さ」
3、社員が会社を愛する「強さ」
『人間心理を徹底的に考え抜いた「強い会社」に変わる仕組み』の中から、ここでは、この3つの強さに焦点を当てて、リーダーとして自社や自部署の現状を見直し、改革するためのヒントを紹介したい。
1、変化に適応できる「強さ」
変化対応には、組織のトップのリーダーシップも大事だが、それにもまして重要なのは、社員に「主体性」があるか、「当事者意識」があるかだ。当事者意識が低ければ、変化を感知するアンテナの感度が鈍く、顧客の新たな要望や要望の変化をキャッチできない。当事者意識がある人材は、変化に触れると、「それを要望されるのはなぜなのだろう」と考える。主体的に問題解決をしようとする意識が働き、「申し訳ございません。現状、弊社では難しいのですが、今後のためにどのようなご事情かお聞かせいただけませんか」と、その真意を理解しようとする。
顧客の新たな要望を社内に共有することで、ビジネスチャンスが広がる。特に、今回の新型コロナの影響で、外部環境が大きく変わったときなどは、予測もできない要望がでてくる可能性がある。逆風の中での生き残り策のヒントもあるはずだ。
●当事者意識を高めるためには、上司との日常会話も重要だ。
「前例がないので実現できないかもしれませんが、〇〇会社さんからこんな要望がありました。確かに今後同じようなニーズが他社からも出てくる可能性があると思いますので、一度社内で検討しませんか」
もしもメンバーにこう言われて、上司であるあなたが、「社内のルールで認められていないことをやるな」と返答したとすれば、その瞬間にその社員は当事者意識をなくし、二度と主体性を発揮しなくなるだろう。
「簡単ではないと分かっていて、それでもわざわざ言ってきたのには深い理由があるのだよね。確かに、他にも同じような要望を持った会社があるかもしれないな。よく言ってくれたね」
このように上司が評価したら、当事者意識は高まり、主体性はさらに発揮される。制度やルールのようなかたちのある組織戦略の仕組みだけでなく、上司の意識を含めたコミュニケーションの在り方によっても、人の主体性や「モチベーション」は大きく影響を受ける。あなたの言動は、メンバーの当事者意識に火をつけられているだろうか。
2、やるべきことをやり抜く「強さ」
あなたの組織では、「自由」と「規律」のPDCAマネジメントが回っていますか。「PDCAサイクル」は、ご存じの通り、「 Plan (計画)」「 Do (実行)」「 Check (評価)」「 Action (改善)」を繰り返すことで、商品やサービスの品質や生産 管理などを継続的に改善していく手法だ。
多くの会社ではPDCAサイクルを回すことはできていても、その各過程に問題を抱えているケースが多い。本来のP・D・C・Aが機能していないのだ。 例えば、Planの段階で、一生懸命アイデアを出し合っているように見えても、よく観察すると、発言者は数名に偏っていたり、影響力がある人の発言を待ってから同じことをいう人ばかりいたりで、本当の議論ができていない会社も多い。
●「PDCAサイクル」に、「自由」と「規律」を組み合わせよ
「自由」と「規律」のどちらかだけではダメ。多くの会社は、どちらかというと「規律性」を強みとしている会社と、「自由度」を強みとしている会社に分かれやすい。規律性を強みにする会社は、やり切る力があるので、DとAの部分はうまくいくが、肝心のPとCの部分が弱いことが多い。
逆に、自由度を強みとする会社は、その逆でPでは、どんどんアイデアを出し合い、Cでも思ったことをズバズバ発言して、正しい改善の方向を出すことができるのだが、肝心のやり切る力が弱いので、DとAが中途半端で終わることが多い。極端な例だが、アイデアを出して発言するのは好きだが、実際にやり切るのは苦手な人が多く、メンバーの中にはDで失敗してもいいように、言い訳を先に考えて動き出す人まで現れる。