2019/07/04
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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
第37回
最速で課題を解決する 逆算思考
- キャリア
- ビジネススキル
- 中尾 隆一郎氏 FIXER 執行役員副社長
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「最速で課題を解決する 逆算思考」を、実現できる3つの考え方とは。
2019年1月から仕事の仕方を変えました。具体的には、1つの会社のために働くのではなく、複数の組織やプロジェクト単位で仕事をするようにしたのです。 私が29年間在籍したリクルートは、条件を満たせば副業OKでした。 ですので、2年前から旅工房の社外取締役をし、Business Insider Japanや日経Styleで記事を執筆していましたが、あくまでも副業でした。 しかし、リンダグラットンさんのライフシフトを読み、人生100年時代になり、定年後も働き続けることを考えると、1つの会社に依存するのはリスクに感じたのです。
ところが、捨てる神あれば拾う神ありです。友人や友人の友人など何社かの経営者からプロジェクトベースで手伝ってほしいという相談が来たのです。持つべきものは友人です。本当に感謝です。
しかし、相談内容が多種多様だったのです。一例を挙げると、経営会議をレベルアップさせたい。新規事業を一気に拡大したい。買収した会社の経営をサポートしてほしい。人事制度を見直したい。インセンティブ設計をしたい。素晴らしい新製品を輸入するので、その拡販策を考えてほしい。官公庁の数値管理の仕組みをレベルアップさせたい。などです。
また2018年6月に執筆した「最高の結果を出すKPIマネジメント」(フォレスト出版)の内容に興味を持った企業から講演などの声がかかり、KPI作成支援の依頼もくるようになりました。
私自身が過去経験したテーマもあれば、まったくの門外漢のテーマもあります。しかも、経験したテーマといっても私自身が1回か2回経験したことがあることから、かなり専門性が高いものまで、これもさまざまなのです。ところが、自分自身でも驚いたのですが、何とかかんとか役に立つことが多いのです。
なぜ私が、さまざまなテーマで役に立てるのか?
それはリクルートグループ29年間で会社経営、事業経営、事業監査、事業開発、事業企画、研究、調査、技術、営業などさまざまな職種を、そしてIT、不動産、採用・育成などいろいろな業界を経験してきたのが大きな理由です。異動が多く、過去の経験がそのまま使えない仕事を何度も経験する機会があったからです。
ここに、さまざまなテーマで役立てる秘密がありました。
つまり、初めてのテーマに対して、どのように取組めばよいのかという仕事の「勘所」が分かっていたからなのです。そして、この勘所こそ、今回この「最速で課題を解決する 逆算思考」で紹介した3つの考え方です。この3つの考え方は、私だからできる話ではありません。再現性、つまり知っていれば実現できる話なのです。
実際、リクルート時代含め一緒に働いているメンバーに、この3つの考え方を伝えると、彼ら、彼女らの仕事の仕方が劇的に変わるのです。もちろん、既に仕事ができる人にとっては、本当に当たり前の話にすぎません。意識、無意識に関わらず、既に実践している話です。
ところが、この3つのポイントを、言語化しているケースが少ないのです。実際、言葉として伝え、それを理解し実行すると仕事の成果が上がるのです。つまり、知っているか知らないかで、仕事の成果に大きな差が出るのがこの3つの考えなのです。
この3つの考え方について、少し補足説明をします。
1つ目は、この本のタイトルにした「Goal Driven」するということです。まず、最高の状態=Goalを考える。そして、その後、そこにどうやってたどり着くのかを考えるのです。つまりGoalから逆算して考えるのです。
Goalといっても最高の状態です。Google社がいうMoon Shootというやつです。月というGoalに向かって打つような仕事のことです。×20、つまり20倍の仕事ということです。またGoal自体が月に向かって打つようなレベルではない。具体的には、やる意味がないGoalであれば、その仕事自体を止めるという判断も有効です。