2019/02/21
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異能の経営者 ~ I know. ~
第16回
【メドピア 石見氏】貧乏、浪人、赤字の給料――。医師になる為の苦闘。(Vol.1)
- キャリア
- 経営
- 経営者インタビュー
- 石見 陽氏 メドピア株式会社 代表取締役社長 CEO(医師・医学博士)
今回から登場いただく石見陽氏は、医師・医学博士ながら医師専用コミュニティサイト「MedPeer」を始めとしたヘルステック事業を展開するメドピア株式会社の代表。なぜ医師が事業を始め、上場企業を育てるにまでなったのか。石見氏が学生時代からどのような医師になっていったのか、詳しく話を聞きながら紐解いてみる──。
■大工と医師が混在している家系に育った。
――最初に医師を目指したきっかけをお伺いしたいのですが、まず信州大学医学部に入られたのは何故でしょうか?実家が千葉なので、ギリギリ関東甲信越地域で合格できたのが信州と群馬。当時、兄が群馬大学の医学部にいたので、このタイミングで自立しようと考え、あえて信州大学を選んだという感じです。
――医学部の選択は、これはご家庭の影響ですか?
そうですね。母方が医師の家系で、母方の祖父が、足立区で以前病院をやっていたんです。あと、母方のお兄さん、僕にとっての伯父さんが千葉の佐倉でクリニックを開業していました。
――では医師は割りと身近だったと。
ええ、病院というのはお金を払う場所ではなく、もう少し身近な存在でした。
――ちなみに、お父さん側はどのような家系なんでしょうか。
父方は大工なんですよ。
――大工? それは変わった家系ですよね。
そうですね。ただ母は医師でもないし、父は大工でもなくて企業勤めだったんですが、親族がみんな大工と医師が混在しているという。僕のいとこも医師ですし、何より自分の兄も医学部に行っていますので。
――なるほど。それで自然に医師を目指されたということですか。
はい。多分「なれ」と言われたことは一度もないです。ふと思うんですけども、大学を選ぶときに医学部だけ職業選択をしていますよね。法学部がみんな弁護士になるわけでもないし、教育学部も先生になるわけじゃない。
――確かにそうですね。
だから、特に当時は身近じゃないと医師はなかなか選ばなかっただろうなと思います。身近なところにいたというのは大きいと思いますね。