TOP いま注目の経営者が語る【2024年業界予測】 次世代エアモビリティは開発競争が進み、実用化に向けて市場がさらに活発化【2024年業界予測】vol.3

2024/01/31

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いま注目の経営者が語る【2024年業界予測】

第3回

次世代エアモビリティは開発競争が進み、実用化に向けて市場がさらに活発化【2024年業界予測】vol.3

  • 編集部オリジナル
 

コロナ禍から本格的に脱しつつある中、ビジネスにおいて、業界ごとに今年はどのような変化があるでしょうか。KEIEISHA TERRACEでは、いま注目の経営者各位による、2024年の業界予測を発表。各業界のビジネスの潮流はどうなるのか、3回の連載に分けて伺ってまいります。

次世代エアモビリティは開発競争が進み、実用化に向けて市場がさらに活発化

メーカー:自動車・輸送用機器
Terra Drone株式会社 代表取締役社長 徳重 徹氏

ドローンや空飛ぶクルマなどの次世代エアモビリティは、世界的に実用に向けて実証実験などが行われているほか、今年開催予定のパリ五輪や日本でも2025年の大阪万博で商用運航を目指しているなど、開発競争が進み、実用化に向けて市場がさらに活発化することが予測されます。また、日本政府も2024年度の予算に空飛ぶクルマ・ドローンの安全対策に関する予算を計上するなどしており、国内はもちろん、世界中で実用化に向け安全に飛行するためのルールづくりや体制整備がさらに進んでいくと思います。

 

――その中で徳重さんおよび自社で取り組まれていくことや成し遂げていきたいことを教えてください。

 

ドローンや空飛ぶクルマの普及には、車で言う道路にあたる”空の道”の整備が必要不可欠で、我々は、そのための運航管理システムを開発・提供しています。子会社を通じて国外では多くの実績を積んできました。今後は、世界に通用する次世代エアモビリティのための運航管理システムを提供する企業に成長したいと考えています。

メーカー:建設・住宅・インテリア
株式会社Polyuse 代表取締役 大岡 航氏

建設業界はインフラの老朽化を背景に深刻な従事者不足に陥っています。2024年以降も更に災害やインフラの老朽化を起因に地方経済の持続可能性の実質的崩壊リスクが高まる可能性は全国どのエリアにも存在します。
行政を中心として日本国民の安全な生活基盤構築を前提条件に置きつつ、これまでの経済合理性の観点だけでなく社会経済やインフラの重要な担い手である地方建設業の安定性に向けた中長期投資を進めていくのではないかと考えます。
その上で現在から未来に向けて、建設業界では公共工事の全般的な仕組みや評価方法及びステークホルダーの活発化、防災投資への考え方等の協議がより必要不可欠になるのではないでしょうか。

 

――その中で大岡さんおよび自社で取り組まれていくことや成し遂げていきたいことを教えてください。

 

1月1日の能登半島地震には全国民大きな不安や心配を抱いたかと思います。弊社も自社保有技術に限らず未来における本質的協議や変化が必要なタイミングだと捉え、今後のインフラ投資に必要な法律や対策、体制等に各立場の方々が「今」取り組むべきことに集中し、立場を超えて連携していけるように尽力していきます。

物流
株式会社Azoop 代表取締役社長 CEO 朴 貴頌氏

今年は「物流変革元年」。物流2024年問題と騒がれているように、4月からトラックドライバーの残業時間の上限規制が適用されます。日本では物流の約92%がトラックで運ばれていますが、トラックが1日に到達できる距離の減少に伴い、今までの物流網では需要に応えられなくなる事が予測され、2030年には約30%の物資が運べなくなると言われております。そういった意味で今年はサステナブルな物流網を構築できるかチャレンジする年になると思います。トラック運送会社の業務変革はもちろんのこと、荷主をはじめ物流に関わる企業のオペレーション変革も不可避であり、各プレイヤーが互いに歩み寄ることが一層求められる年になるでしょう。

 

――その中で朴さんおよび自社で取り組まれていくことや成し遂げていきたいことを教えてください。

 

私たちは「物流・運送経営を、スマートに。」というスローガンのもと「トラッカーズ」シリーズで運送会社の業務効率化を推進してきました。今年は特に運送業務DXサービスである「トラッカーマネージャー」の提供を通じて、配車やドライバーの労務管理などの業務DX・効率化により2024年問題の解決に挑んでいきます。

環境の変化に対応し、DIYやライフスタイルの提案を行う企業が伸びる

小売
嘉穂無線ホールディングス株式会社 代表取締役社長 柳瀬 隆志氏

ホームセンター業界は、コロナ禍においても売上を伸ばしていましたが、2023年は全体的に停滞感のあった一年でした。2024年は、元旦から能登半島地震が発生し、災害への備えが必要であることを感じるスタートとなりましたが、ホームセンター業界もその存在意義がなんなのかを改めて考える年になるのではないでしょうか。
賃上げ・物価上昇は2024年も継続する見込みであり、消費者の生活防衛思考が強まる中、少子高齢化や人手不足などの環境の変化に対応し、DIYやライフスタイルの提案を行う企業が伸びるのではないかと予測しています。

 

――その中で柳瀬さんおよび自社で取り組まれていくことや成し遂げていきたいことを教えてください。

 

2015年頃から取り組んでいるデータ分析を更に推進し、各種施策の効果を高めていきたいと考えています。また、住居の老朽化・空き家問題などに対し、DIYで解決するための具体的な提案を行っていきます。

サブスク・レンタル・小売
レンティオ株式会社 代表取締役社長 三輪 謙二朗氏

【家電業界、EC業界】
コロナでEC業界は盛り上がりました。あまり知られていないが家電もたくさん売れました。その反動と円安の影響もあり2023年は不振なメーカー、量販店が多かったです。同様、EC業界もあまり良くなかったです。2024年は少し緩むと思うが良いとは言えません。
【サブスク業界】
サブスクや新興ECは勝ち組と負け組が分かれます。ある種ブームがきていたが、それは終わりました。ブームでしっかりユーザーを獲得できたサービスは残るがそれ以外は淘汰されると思います。

 

――その中で三輪さんおよび自社で取り組まれていくことや成し遂げていきたいことを教えてください。

 

レンティオはコロナやサブスクブームでたくさんのユーザーを獲得することができました。現状おかげさまで支持していただけておりリピート率も非常に高いです。より多くのユーザーから支持してもらえるように商品ラインナップを増やします。新規ユーザーも獲得するために認知度も増やしていきます。

小売・EC
株式会社ACROVE 代表取締役 荒井 俊亮氏

元日に発生した地震により亡くなられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々へ心よりお見舞いを申し上げます。
本年は「甲辰」の干支が表すように、EC事業社様にとって変化を迫られる年だと思います。国内においては、昨年から続くクッキー規制、4月から顕在化する物流問題などによって、顧客接点と物流網の見直しと新たな開拓が求められます。国外の動きとしては、円安によるインバウンド需要が回帰したことでリアルとオンラインどちらでも買い物体験が出来る仕組みが必要になってくると思います。2024年もECでの買い物体験需要は顕著であり、環境変化への柔軟な対応の早さが鍵となってくると思います。

 

――その中で荒井さんおよび自社で取り組まれていくことや成し遂げていきたいことを教えてください。

 

EC販売支援事業は、お客様に貢献するサービスの質向上と拡充をいたします。ECロールアップ事業では、来る2025年事業承継問題に向けてGeneration Transformation(GX)を推進、グループ会社のDX化を進めることで事業価値最大化を図ります。引き続き次代に貢献する事業に邁進します。

商空間事業/リテールメディア事業
LMIグループ株式会社 代表取締役社長 永井 俊輔氏

2023年、リテール業界はコロナ以前の来客数を回復し、店舗の立地が再評価され、「リテールメディア」としての活用が拡大しています。リテールメディア広告市場規模推計・予測では、リテールメディア広告市場が2026年までに1,000億円規模に成長すると予想されるようなメガトレンドがやってきています。これまでコンビニ等で見られたメーカー広告が、様々な業種の店舗でメーカー以外の広告主にも広がり、リテール事業会社に新たな収入源をもたらすと予想しています。また、リテールメディアの効果測定や顧客のシームレスな購買体験提供に向け、店舗データの収集や改善にテクノロジーの活用がさらに進んでいくと考えています。

 

――その中で永井さんおよび自社で取り組まれていくことや成し遂げていきたいことを教えてください。

 

店舗空間の企画・実装・データ活用まで一貫している強みを基に、リテールの価値最大化を模索します。直近では、リテールメディア事業「AdCoinz」を数千店舗に展開し、消費者に対するリワードの提供を進め、よりパーソナライズされた店舗広告の提供と、あらゆる小売企業がデータを意識する世界観を目指しています。