TOP スペシャルコラムドラッカー再論 「効果的な実行」のために、してはいけないこと、やらなければならないこと。

2023/11/20

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スペシャルコラムドラッカー再論

第391回

「効果的な実行」のために、してはいけないこと、やらなければならないこと。

  • マネジメント
  • エグゼクティブ
  • 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

 

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「いかなる解決策といえども、実行に移され成果をあげなければならない。」(『現代の経営』、1954年)

 

ドラッカーは、今日あまりに多くの時間が解決策の「売り込み」に使われていると嘆く。

 

「それは時間の浪費というべきである。解決策の売り込みに努力しなければならないということは二重の意味で間違いである。」(『現代の経営』)

 

第一に、それは他の人が買ってくれなければならないことを意味する。意思決定は、他の人が実際に行動して成果をあげてくれなければ意味がない。

 

「意思決定とは他の人が行うべきことの決定である。実行にあたる人に買ってもらうのでは不十分である。彼らが自分のものにしてくれなければならない。」(『現代の経営』)

 

第二に、解決策を売り込むということは、意思決定の結果を買ってくれる者の意思に従属させることを意味する。

 

「そのような考えは間違っており、有害ですらある。意思決定は、買う者の希望、欲求、受け入れやすさとは関係ない。正しい意思決定は、好まれようが好まれまいが受け入れられなければならない。」(『現代の経営』)

 

意思決定の結果、売り込みに時間を要するようであっては、意思決定そのものが適切に行われなかったことを意味する。
もちろん、意思決定の結果は実行にあたる人たちが使う言葉で彼らにわかるように示す必要がある。

 

「<売り込み>という言葉には問題があるとしても、売り込みを強調することには意味がある。すなわち、意思決定はその性格上、他の人の行動を通じてのみ成果をあげることができるということである。」(『現代の経営』)

 

意思決定を行う経営管理者自身は通常、意思決定の実行は行わない(昨今はプレイングマネジャー、プレイング部長、プレイング執行役員が当たり前でもあるが…)。彼らは問題を理解し、分析し、守るべき原則を明らかにし、情報を収集する。複数の解決案を考え、判断し、最善のものを選ぶ。

 

「しかしせっかくの解決策も、実行があって初めて意思決定となる。ところが経営管理者自身は、通常実行にあたることはない。何を行うべきかを伝え、動機付けを行うだけである。実行すべき人が正しい行動をとって初めて、意思決定は行われたことになる。」(『現代の経営』)

 

解決策を実行に移すには、実行にあたるべき人が自らの行動においていかなる変化を期待されているかを理解することが必要である。
また、彼らとともに働くべき人たちの行動において、いかなる変化を期待すべきかを理解することが必...

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プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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