TOP スペシャルコラムドラッカー再論 優れた経営管理者になるための、基本的な5つの活動。

2023/10/02

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スペシャルコラムドラッカー再論

第384回

優れた経営管理者になるための、基本的な5つの活動。

  • マネジメント
  • エグゼクティブ
  • 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

 

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「あらゆる経営管理者がマネジメント以外にも多様な仕事を行う。むしろ後者の仕事に時間のほとんどを使う。」(『現代の経営』、1954年)

 

セールス部門の経営管理者は売上を分析し、重要顧客対応に奔走する。生産部門の経営管理者はラインの稼働状況に気を配り、トラブル対応に入る。
これらのことは全て、それぞれのポストにつきものの仕事であり、いずれも必要であって立派に行う必要があるとドラッカーも認めている。

 

「しかしそれらの仕事とは別に、機能や活動や地位やポストにかかわらず、あらゆる経営管理者が共通して行う仕事、すなわち経営管理者だけが行う仕事がある。(中略)われわれは、それら経営管理者に特有の仕事を分離することができる。さらに、それらの仕事をいくつかの活動に分解し、分類することができる。経営管理者は、それらの基本的な活動のそれぞれを改善することによって、経営管理者としての仕事を改善して行くことができる。」(『現代の経営』)

 

ドラッカーは、経営管理者の仕事には基本的な活動が5つあると述べる。
それら5つの活動が企業を生成発展する有機体へと統合するのだと。

 

第一に、経営管理者は目標を設定する。

 

「経営管理者は目標が何でなければならないかを決定する。それらの目標の具体的なゴールを決定する。そして、それらの目標を達成するために何を行わなければならないかを決定する。」(『現代の経営』)

 

さらには、それらの目標を達成する上で必要となる仕事を行うべき人たちと話し合い、それらの目標を意味のあるものにする。

 

第二に、経営管理者は組織する。

 

経営管理者は、必要とされる活動、意思決定、関係を分析する。仕事を分類する。仕事をマネジメント可能な活動に分ける。

 

「さらに、それらの活動をマネジメント可能な作業に分ける。そして、それらの活動や作業を組織する。それらの作業をマネジメントすべき人を選び、それらの仕事を行うべき人を選ぶ。」(『現代の経営』)

 

第三に、経営管理者は動機づけを行い、コミュニケーションを行う。

 

「経営管理者は仕事に責任をもつ人をチームにまとめる。それを仕事を通じて行う。部下との関係を通じて行う。優れた仕事に対するインセンティブや報奨によって行う。昇進に関わる方針によって行う。部下へのコミュニケーションと、部下からのコミュニケーションによって行う。」(『現代の経営』)

 

第四に、経営管理者は評価測定する。

 

「彼は仕事ぶ...

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プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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