2023/10/04
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イマ、ココ、注目社長!
第375回
「究極のSDGs」を実現。IoT重量計でモノの流れをスマート化。【後編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 林 英俊氏 株式会社スマートショッピング 代表取締役
IoT重量計を独自開発し、重さを測ることで部品などの在庫数や消費量などをリアルタイムで把握できるサービス「スマートマットクラウド」を手掛ける株式会社スマートショッピング。
創業者の林英俊さんは、戦略コンサルティングファームのローランド・ベルガー、アマゾンジャパンを経て、2014年に同社を立ち上げました。
2018年にサービスをローンチし、現在は約900社と1,400件の契約を結んでいます。
今年9月5日に開催された「Industry Co-Creation(ICC)サミット KYOTO 2023」の「SaaS RISING STAR CATAPULT 次のユニコーンを探せ!」で優勝し、注目を集める林さんに、ハードウェア開発の舞台裏や採用、マネジメントで大切にしていること、目指す未来について話を聞きました。
(聞き手/川内 イオ)
ハードウェアの開発は「地獄」
――ハードウェアの製造を始めてからサービスのリリースまで2年ほどかかったそうですね。ゼロからハードウェアを開発するのは、どのような経験になりましたか?
林 地獄を見ました(笑)。とりあえず動くのと、 量産してお客さんが欲しいレベルで動くのは、大きな差があります。そこのハードルがひとつ。
もうひとつのハードルは、サプライチェーンの構築です。倉庫を借りる、輸入手配する、組み立てる、検品する、配送する、返品されたらどうするかというオペレーションを一気に立ち上げないといけない。モノづくりをするなら当たり前のことですが、本当に大変でした。
――知識もない状態からだと、気が遠くなりそうです。最も高い壁はなんでしたか?
林 コストと電力です。最初はメイドインジャパンでつくりたくて一度試作したんですけど、コストが合わず、最終的に中国に飛んで1カ月で工場を決めて、二度目の試作をしました。
電力は、コンセントが必要だと置き場所を選ぶので、電池で動かしたかったんです。リチウムイオン電池は高いし、燃えたら会社が潰れるリスクがあるので、選択肢は乾電池しかありません。乾電池を使う通信機器で1年動くものってあまりなくて、技術的な挑戦がありました。
――試作をするにもお金がかかりますよね。開発の資金はどうしたんですか?
林 日本はモノづくりに優しい国で、ハードウェアの開発をサポートする補助金がたくさんあります。それに片っ端から申し込んで、プレゼンの連続でした。そうすると、補助金の審査員をしていた「SHIFT」(ソフトウェアのテストや品質保証を手が...
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