TOP スペシャルコラムドラッカー再論 経営管理者に特有の課題を認識せよ。

2023/09/25

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スペシャルコラムドラッカー再論

第383回

経営管理者に特有の課題を認識せよ。

  • マネジメント
  • エグゼクティブ
  • 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

 

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経営管理者の仕事とは何かということについて、ここのところずっと(実は当連載で1年ほどの間!)見てきた。

 

「経営管理者たるには、肩書、個室、その他諸々の象徴があるだけでは明らかに不足である。高度の能力と仕事ぶりが必要とされる。しかしそれでは、経営管理者たるためには万般の能力を必要とするか。それは直感によって行うものか、方法論によって行うものか。経営管理者はいかにしてその仕事を行うか。企業内において、何が彼らを他の人と異なる存在にするか。」(『現代の経営』、1954年)

 

経営管理者には2つの特有の課題があるとドラッカーは言う。

 

「(それは)彼ら以外では果たせない課題である。それらを課された者は、すべて経営管理者であるという課題である。」(『現代の経営』)

 

第一の課題として、経営管理者は、部分の総計を超える総体、すなわち投入された資源の総計を超えるものを生み出さなければならない。

 

「経営管理者は、自らの資源、特に人的資源の強みを引き出して成果をあげさせるとともに、それらの資源の弱みを意味のないものにしなければならない。」(『現代の経営』)

 

これが組織として部分の総計を超える総体を創り出す、唯一の方法だ。

 

しかも経営管理者は、企業の3つの機能、すなわち事業のマネジメント、経営管理者のマネジメント、人と仕事のマネジメントの3つをバランスさせ調和させなければならない。

 

「いかなる意思決定、いかなる行動といえども、これら3つの機能のうちいずれを犠牲にしても、総体としての企業を弱体化させる。意思決定や行動は、常にこれら3つのすべてについて適切であることが必要である。」(『現代の経営』)

 

組織としての真の総体を生み出すには、経営管理者たる者がそのあらゆる行動において、総体としての成果を考えるとともに、多様な活動が相乗的な成果をもたらすよう留意しなければならない。

 

経営管理者は、企業全体の成果とともに、例えば市場調査の活動を考える。経営管理者は企業全体の成果をあげることによって、市場調査の仕事をより大きなものとし、より挑戦的なものとする。もちろん市場調査の仕事を改善することによって、事業全体の成果をよりよいものにする。

 

「経営管理者は2つの問いを同時に発しなければならない。その一つは、事業全体のいかなる成果の改善が必要か、そのためには個々の活動において何が必要かである。もう一つは、個々の活動のいかなる改善が可能か、その結果事業全体のいかなる業績の改善が可能か...

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プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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