TOP スペシャルコラムドラッカー再論 人の仕事を組織するに当たっては、「仕事の統合の原理」を抑える必要がある。

2023/06/19

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スペシャルコラムドラッカー再論

第370回

人の仕事を組織するに当たっては、「仕事の統合の原理」を抑える必要がある。

  • マネジメント
  • エグゼクティブ
  • 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

 

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「われわれは人の仕事を組織するための方法を知っているだろうか。仕事の統合の意味や原理を知っているだろうか。効果的な統合と効果的でない統合の違いを知っているだろうか。言い換えるならば、最高の仕事をするための人の働き方を知っているのか。」(『現代の経営』、1954年)

 

これらの問いに対する完全な答えはまだない、とドラッカーは言う。しかし、いくつかの基礎的な原理は明らかだ、とも。
その一つの例の、おそらく最高のモデルは「外科医の仕事」だとドラッカーは述べている。

 

外科医の仕事は要素動作の徹底的な分解の上に成り立っている。要素動作自体は厳格に決められた手順に従って行われる。外科医、助手、麻酔医、看護師などの手術チームのメンバーは皆、訓練によって次に何を行うべきかを常に把握している。
しかし同時に、彼らの仕事は当然のこととして統合されている。切開、患部の切除、縫合などまでを一人の外科医がすべての要素動作として行う。

 

「もちろん外科医は、考えうる最高の水準の仕事である。しかし、それだからこそモデルとして最高なのである。外科医の仕事は基本的な原理を教える。人の仕事の組織化が進むべき方向を教える。」(『現代の経営』)

 

企業における仕事は、技能、速度、判断力、あるいは責任の度合いにおいて、外科医のそれに及ばない。しかし、外科医の仕事において実践されているいくつかの原理に従うならば、それだけ仕事はより生産的となり、人の仕事として適切となる。

 

第一の原理は、仕事の分析と組織について科学的管理法を適用することである。

 

「まったくのところ、科学的管理法の分析を適用しうる範囲は、一般に考えられているよりもはるかに広い。それは肉体労働や事務労働だけでなく、知的労働にも適用できる。」(『現代の経営』)

 

第二の原理は、仕事そのものの改善のための最短の近道として、仕事の要素動作を改善することである。

 

「実のところ、仕事の改善のための体系的な努力は、部分の改善のための努力として行われるとき、大きな効果をあげる。」(『現代の経営』)

 

第三の原理は、それらの要素動作を体系的に、かつ仕事の論理に従って配列することである。
事実、要素動作の順序は最も訓練が困難であって、かつ最も修正を必要とした。

 

「しかし仕事の組織において、問題は仕事を要素動作に分解することではなく、それらの要素動作を一つの全体に統合することにある。これが新しい問題である。」(『現代の経営』)

 

ここにおいても、...

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プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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