TOP イマ、ココ、注目社長! 150万DL突破!タクシー配車アプリ「S.RIDE」の成長戦略。【後編】

2023/06/16

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イマ、ココ、注目社長!

第354回

150万DL突破!タクシー配車アプリ「S.RIDE」の成長戦略。【後編】

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今年3月、ダウンロード数が150万を超えたタクシー配車アプリ「S.RIDE」。配車の件数も、2020年の4月から3年で9.5倍に伸びています。「S.RIDE」をけん引するのは、日本信用販売株式会社、シティバンクを経てソニー株式会社で非接触ICカード技術「FeliCa」の事業戦略などに携わってきた西浦賢治さん。
約1,300万ダウンロードと先行する競合アプリ「GO」とどう戦うのか、西浦さんに尋ねました。

(聞き手/川内 イオ

 

競合「GO」に勝つための戦略とは?

――タクシー配車アプリといえば、先行する「GO」が約1,300万ダウンロードを突破しています。現在、約150万ダウンロードの「S.RIDE」はどう勝負しようと考えていますか?

 

西浦 ポイントは2つあります。わたしたちの最大の価値は「S.RIDE」の株主がタクシー事業者で、東京というマーケットのなかで1万台以上走っていることです。タクシーは走行できるエリアが決まっているのですが、東京23区と武蔵野市、三鷹市で日本全国のタクシー市場の25%を占めています。その東京できちんと勝ち残ることができれば、全国に広がっていくと考えています。

 

――東京はそんなに大きな市場なんですね。もうひとつのポイントは?

 

西浦 ソニーが持っている技術です。ソニーのクリエイティブセンターがアプリのデザインをしていて、とても使いやすいUI、UXになっています。この2つを軸にして成長戦略を描いています。

 

――現在の課題は?

 

西浦 ソニーグループのアセットの活用です。2019年末から1カ月ほど、株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ、ソニーマーケティング株式会社と共同でアーティストの「King Gnu」とコラボした特別デザインのタクシーを走らせました。車内にはノイズキャンセリング機能搭載のハイレゾ対応ヘッドホン「WH-1000XM3」を設置しKing Gnuの作品を聞けるようにして、設置されたタブレットには未公開のものを含むKing Gnuのライブ画像を公開しました。

 

新型コロナウイルスのパンデミックもあってその後、同じような取り組みができていないのですが、ソニーグループは音楽、映画、アニメ、ゲームなどのコンテンツが豊富なので、そこを活用すれば競合と差別化できると考えています。

 

――それは面白い体験ですね。

 

西浦 わたしたちはいま、プロ野球のジャイアンツとコラボした「ジャイアンツタクシー」、株式会社ホリプロのミュージカルと...

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プロフィール

  • 西浦 賢治氏

    西浦 賢治氏

    S.RIDE株式会社 代表取締役社長

    1994年にクレジットカード会社に入社。1996年に通商産業省(現経済産業省)が主導するプロジェクトに出向。 1998年に外資系銀行に転職。2002年にソニー株式会社に転職し、約10年間に渡り、 NTTドコモ、JR東日本との合弁会社の設立やおサイフケータイの実現等、非接触ICカード技術「FeliCa」の事業戦略を担当。 その後、ソニー(現ソニーグループ)本社事業戦略部門、経営企画部、モバイル事業の事業戦略等を経て、 2018年5月からS.RIDE株式会社代表取締役社長として、タクシーアプリ事業、決済代行事業、広告事業等を統括。 S.RIDEの事業活動を通して、需要と供給のマッチング、最適なルーティング、移動空間のエンタテイメント化等を磨き上げ、 「移動・交通の最適化」の実現を目指す。

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