2023/04/20
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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
第151回
対話のタイムパフォーマンスをあげる3つのコツ
- キャリア
- ビジネススキル
- 理央 周氏 マーケティングアイズ株式会社代表取締役
マネジメントするうえで、チームの目的や目標、行動指針などの重要なことについては、「年度初めに1度伝えたから分かっているはず」と考えるのではなく、折に触れて何度も繰り返して伝えましょう。言わなくなると、部下は重要でないことと考えたり、場合によっては忘れたりする懸念もあります。
任されている組織やチームにとって、なにが最も大事なのかを見極め、それを伝えるための言葉に磨きをかけましょう。そして、その大事なことを、効果的に部下に伝えることが重要です。同じ時間をかけるのですから、相手の記憶に深く刻み込めるように工夫してタイパをあげましょう。
部下の話を「フロー情報」から「ストック情報」に変換する
×:部下の話を聞くときにメモしない〇:部下の話を聞くときにメモする
情報は、「フロー情報」と「ストック情報」に分類できます。フロー情報とはその場かぎりの「流れていく情報」、ストック情報はあとから参照・活用できる「蓄積される情報」のことです。フロー情報をストック情報に変換する方法がメモです。
なかには、「メモしないと忘れるような情報は、その程度の情報だ」と言う人もいます。「たしかに」と思うかもしれませんが、必要なポイントを判断する嗅覚と記憶力が人一倍鋭い、この種の天才肌の人は、それほどたくさんいません。実際、私の周りの「成果を出す経営者」はメモ魔です。素直にメモすることをおすすめします。
メモをする目的は、ストックした情報をあとで加工して「価値」を生み出すことです。
私がクライアントと面談するときには、A4用紙を用意しメモをとります。提案に生かせる点は◯、確認が必要なことに□、そしていちばん大事な対話での「気付き」 に☆をつけます。対話で出てくる情報は、あくまで断片にすぎません。大事なのは、 この断片をつなぎ合わせて「自分のアイディアや意見」を出すことです。なので、自分の直感をあとで整理できるようにメモしていくのです。このメモをもとに、クライアントに提案する戦略と施策を資料としてまとめていきます。
あなたは、1on1や面談などで部下と話すときに、メモをとっているでしょうか?
部下に何かを教えるときに、メモをしていなければ「大丈夫かな?」と心配になった覚えのある人も多いでしょう。これは、部下から上司を見たときも同じです。メモをとる上司の姿を見れば、部下は「話を聞いてくれている」と安心しますし、信頼を強めるはずです。
メモは、読み返して活用することによって、成果につながる「ストック情報」になります。質的な生産性を引きあげる武器として活用していきましょう。
「コミュニケーションコストの高い上司」になっていませんか?
×:コミュニケーションコストが高い〇:コミュニケーションコストが低い
あなたは「コミュニケーションコスト」について考えたことがありますか?
コミュニケーションコストとは、相手が考えていることを推測したり、タイミングを見計らったり、相手への気付かいのことと考えれば分かりやすいでしょう。
不機嫌な人はコミュニケーションコストが高く、ご機嫌な人はコミュニケーションコストが低いといえます。不機嫌な人は、周囲の人が話しかけるのをためらってしまうので、 報告やアドバイスなどの情報がタイムリーに集まりづらくなってしまいます。また、社内に限らず、初対面などではとっつきにくい印象を与え、不利になってしまうこともあるかもしれません。
反対に、ご機嫌な人は、人から話しかけてもらいやすく、情報も集まってきやすくなります。いい提案も生まれてきやすくなる でしょう。
一般的に職位や年齢が上がるほど、気をつかわれるようになるため、コミュニケーションコストは高くなる傾向にあります。コミュニケーションコストをさげるには、きちんとあいさつをする、笑顔でいる、人の話をきちんと聞く、気軽に声をかける、 お礼を伝えるなど、すぐにできることが数多くあります。他人とくに部下から自分がどう見えているかについても意識しましょう。 他の記事も読む。60秒で簡単無料登録!レギュラーメンバー登録はこちら >
■書籍情報
なぜ、サボる人ほど成果があがるのか? 単行本(ソフトカバー)
著者: 理央 周
出版社:日本実業出版社
価格:1,540円
※この記事は、アイティメディア株式会社の許諾を得て
「ITmediaエグゼクティブ『ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術』」
の連載から転載したものです。無断転載を禁じます。
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