2023/03/10
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イマ、ココ、注目社長!
第318回
元楽天社員が掘り起こした「家電レンタル」という宝の山。【後編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 三輪 謙二朗氏 レンティオ株式会社 代表取締役社長
家電を中心におよそ3,200種類、17万を超える点数の商品のレンタル事業を手掛けるレンティオ。2015年4月に創業したのは、三輪謙二朗さんです。
50個のカメラのレンタルでスタートした事業は急成長を遂げ、現在の月間利用者数は11万人以上。掃除、美容家電を中心とした生活家電が売り上げの中心になりました。さらに楽器や福祉器具、スポーツ用品など商品を拡充し、無人店舗の出店など新たな手を打ち続ける三輪さんが目指すのは、「本質的価値の追求」です。
(聞き手/川内 イオ)
購入者の割合が急増したコロナ禍
――2015年4月の創業から売り上げが順調に伸び続けるなかで、レンタル需要はカメラが8割を占めていたそうですね。それが新型コロナウイルスのパンデミックで激減してしまったとか。
三輪 はい。ただ、コロナ前から僕らもカメラだけだといずれ限界がくると思っていたんですよ。それに、僕らはレンタルだけをやりたかったわけではなくて、そもそも「いろいろな商品をいろいろな形で売りたい」と思って起業したので、コロナ禍には「カメラ以外の商品に注力しよう」と声をかけて、メーカーの開拓をしました。それが功を奏して、現在は売り上げに占めるカメラの割合が15%程度にまで下がっています。ほかの商品の伸び率が予想以上に大きかったですね。
――それほど伸びた要因はなんだと思いますか?
三輪 レンティオでは、借りて返すというわかりやすいレンタルと、お試しして気に入った商品を買うパターン、長く借り続けたものをそのまま手に入れるという3パターンがあります。カメラの場合は「レンタル」のニーズがほとんどで、ロボット掃除機のルンバや美容家電、ドライヤーなどはほかの2パターンが多いんです。
僕は2019年頃から購入につながる2パターンに大きな可能性を感じていたんですけど、メーカーとの交渉が難しかったんですよね。メーカーからすると、試しても買わない人が一定数いるなら、量販店で売り切った方が楽じゃないですか。でもコロナになってみんなが外出を控えるようになった時、メーカーに量販店以外の販路を探さなくてはという危機感が生まれ、こちらに振り向いてくれたんです。それでカメラ以外の商品が拡充して、ユーザーの選択肢が増えました。
データを利用してメーカーとコラボ
――コロナがむしろ追い風になったんですね。家電にも、美容や掃除、生活などのジャンルがありますが、なにか共通の傾向はありますか?
三輪 かなり高級な家電や、ニッチな家電が登場して、「気になるけどまずは試したい」というユーザーが増えていると思います。例...
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