2023/03/01
1/1ページ
イマ、ココ、注目社長!
第313回
導入実績2,500社を突破、脱炭素社会を加速するスタートアップ。【前編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 西和田 浩平氏 アスエネ株式会社 Co-Founder 代表取締役 CEO
創業から3年5か月で累計約31億円を資金調達したスタートアップ、アスエネ株式会社。
独自のAIを活用した企業や自治体向けのCO2排出量見える化・削減・報告クラウドサービス「アスゼロ」を手掛けており、出資企業には、シンガポールの政府系ファンドなどアジアを拠点にする投資会社も名を連ねています。
国内外で注目を集める同社を率いるのは、西和田浩平さん。三井物産で再生可能エネルギー事業に携わり、33歳で起業を決意しました。前編ではその背景に迫ります。
(聞き手/川内 イオ)
ビジネスと環境に興味を持つようになったきっかけ
――御社は2019年10月の創業から3年5か月で、累計資金調達額が約31億円にのぼります。この成長スピードは、世界的な脱炭素社会への急速なシフトチェンジも追い風になっていると思います。西和田さんはいつから脱炭素や再生可能エネルギーに関心を持つようになったのでしょうか?
西和田 大学2年生の頃です。Mr.Children(ミスターチルドレン)のボーカル、桜井さんと音楽プロデューサーの小林武史さんが組んで結成しているBank Band(バンク・バンド)のライブに行ったんですよ。その時に桜井さんが、環境活動をしている組織や団体などにバンク・バンドの活動で得た資金を融資したり、投資したりしていると話していました。その時、初めてビジネスに興味を持ったんです。
――なぜですか?
西和田 父親の仕事の都合でアメリカにいた中学3年生の時にバンド活動を始めて、高校卒業後に帰国し、慶応義塾大学に入学してからも2年ほどバンドを続けていました。ただ、思うような成果が出なくて、バンドをやめたんです。それで「これからなにをしよう」と考えている時に、バンク・バンドのライブに行きました。桜井さんが音楽ビジネスと彼の影響力を駆使して、世の中にインパクトを与えて社会を変えようとしていると知って、ビジネスって面白そうと初めて思ったんですよ。
――それで環境に興味を持ったんですね。
西和田 そうですね。このライブの後、社会を変えるような環境系のビジネスってなにがあるのか調べたんです。それで唯一、価値を提供し、それに対価をもらうという持続可能なビジネスだと思ったのが、再生可能エネルギーでした。当時はまだ補助金を使っていましたが、将来的にはどんどん発電コストが下がり、火力発電の代替にもなって、CO2も出さない。そこに僕は可能性を感じて、日本では誰が再生可能エネルギーに投資しているんだろうと調べたら総合商社だとわかりました。それで大学3年、4年のゼミで...
こちらは会員限定記事です。
無料会員登録をしていただくと続きをお読みいただけます。