2023/02/22
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イマ、ココ、注目社長!
第311回
フリーランスの力で、日本企業のイノベーションを後押しする。【後編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 岩井 エリカ氏 株式会社ソレクティブ CEO
コロナ禍の始まりと時を同じくして創業したソレクティブ。その船出には、逆風と追い風の両方があったようです。しかし設立から2年が経った2022年12月、プレシリーズA約3.1億円の資金調達に成功しています。ここまでの道のり、ソレクティブの組織づくりや経営についての考え方、そして今後の事業展開について伺いました。
(聞き手/井上 和幸)
自社のチームづくりはリモートとリアルのハイブリッド勤務で
ーー岩井さんがご指摘するとおり、確かに日本には専門性の高いフリーランス向けの市場がない。そこには大きなビジネスチャンスがありそうですね。とはいえ、コロナ禍が始まった2020年1月の会社設立で、ご苦労もあったのでは?
岩井 アメリカではbootstrap(ブートストラップ)といって、創業者が自己資金を出して立ち上げるスタートアップが多いんです。私も、最初は自分の貯金を取り崩して会社を設立しました。
ただ、その後、コロナ禍で資金調達イベントがぱったりと開催されなくなったのは痛かったですね。当時は日本語力も不十分だったので、MBA時代の同級生やマテル、ライアットの同僚など、あらゆるコネクションを使って、アメリカ経由で日本につないでもらったりしました。そのつながりを通じて千葉道場ファンドパートナーの石井貴基さんを紹介していただくことができて、それが大きなご縁になりました。
ーー千葉道場ファンドが、最初のリード投資家になってくださったわけですね。ご苦労の一方で、コロナ禍でリモートワークや在宅勤務が進んだことは、ソレクティブの事業にとって追い風にもなったのではないでしょうか。
岩井 事業にとってタイミングは本当に重要で、その意味では良かったと思っています。例えば、スキルはあるけれど地方に住んでいるようなフリーランスにとっても、チャレンジしやすい環境が整いました。
ソレクティブそのものも完全リモートでスタートして、国内の遠隔地はもとよりアメリカやスペインの開発者にも参画してもらいました。おかげで、24時間開発が進む状況もつくれた。ただ、フルリモートで会社のカルチャーを醸成するのはすごく難しかったですね。いろいろ工夫はしたんですが、結局、今はリアルとリモートのハイブリッドにしています。やっぱり、実際に顔を合わせることで生まれるコミュニケーションは何にも代えがたいと感じています。
ーーそれは僕らも体感していますねえ。ソレクティブでは具体的にどんな方法を採っているんですか?
岩井 週20時間以上従事している人には、週2日は出勤...
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