TOP スペシャルコラムドラッカー再論 CEOの仕事は、多くの場合、混乱している。

2022/09/26

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スペシャルコラムドラッカー再論

第335回

CEOの仕事は、多くの場合、混乱している。

  • マネジメント
  • エグゼクティブ
  • 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

 

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「いかなる組織といえども、そのトップマネジメントを超えて優れたものとはなりえない。トップを超えて大きな構想をもつことも、卓越した仕事ぶりを示すこともできない。」(『現代の経営』、1954年)

 

創業はもちろんだが、その後の守勢~事業継承における経営力の維持の難しさが、このドラッカーの言葉で表されている。

 

「トップを超えて大きな構想をもつことも、卓越した仕事ぶりを示すこともできない。企業は、先代のトップの構想と遺産によって、しばらく生き続けることはできる。しかしそれは後払いで生きているにすぎず、支払いの期日は思っているよりも早く来る。」(『現代の経営』)

 

これが故にドラッカーは、企業はその中央において、第一に統治の機関を必要とし、第二に評価と監査機関を必要とすると述べている。企業の仕事、成果、文化は、トップを構成するそれら二つの機関の質に依存するのだ。

 

CEOは事業を検討する。全体の目標を設定する。目標を達成するために必要な意思決定を行う。そして、それらの目標と意思決定の内容を組織全体に理解させる。経営管理者に対して事業を全体として見えるよう教え、全体の目標から自分たちの目標を導き出すことを助ける。彼らの仕事ぶりと成果を、それらの目標に照らして評価する。さらに必要に応じて、事業の目標を点検し修正していく。

 

「CEOはマネジメントの上層の人事について決定を行う。また、下位のマネジメントに至るまで、経営管理者の育成が行われるようにする。組織の構造について基本的な決定を行う。経営管理者に対し何を考えるべきかを考えさせ、その意味を理解させる。製品別の事業部門と機能別の部門との関係を調整する。部門間の対立を仲裁し、個人的な不和を防止し修復する。航海中の船長のように、緊急時には自ら指揮を執る。」(『現代の経営』)

 

ことほど左様に、CEOの仕事ほど細心の注意をもって整理しなければならないものはない。
CEOの1日も他の人たちの1日と同様、24時間しかない。CEOたちもまた、彼らよりも責任の軽い人たちと同様に眠ったり、休んだり、くつろいだりする必要がある。

 

「したがってCEOの仕事は、徹底的に検討して初めて混乱を免れることができる。優先順位を体系的に決めることによってのみ、重要でないことに時間と労力を小出しに消費して重要なことをおろそかにすることが避けられる。」(『現代の経営』)

 

しかし、CEOの仕事をいかに細心に検討し、いかに体系的に組み立てるかの方法は、ほとんど知られていないとドラッカーは指摘する。その結果、大企業、中小企業の如何を問...

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プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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