TOP スペシャルコラムドラッカー再論 リーダーシップとは、何か。

2022/09/12

1/1ページ

スペシャルコラムドラッカー再論

第334回

リーダーシップとは、何か。

  • マネジメント
  • エグゼクティブ
  • 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

 

60秒で簡単無料登録!レギュラーメンバー登録はこちら >

 

 

「われわれは、凡庸な人に凡庸ならざることをさせることをもって、組織の目的の一つと定義した。凡庸な人を凡庸ならざる人にするとはいわなかった。ということは、リーダーについてはまだ論じていないということである。」(『現代の経営』、1954年)

 

なんともドラッカー的な(?)、意味深にも思える言い回しだ。ドラッカーはここで何を言いたいのだろう?

 

ドラッカーは、これ(=リーダーについて論じていないこと)は意図あってのことだと言う。

 

「確かにリーダーシップは重要である。リーダーシップに代わるものはない。しかしリーダーシップは、創造できるものではない。昇進によって生み出すことのできるものではない。教えたり学び取ったりすることのできるものではない。」(『現代の経営』)

 

ドラッカーは、リーダーシップとは何かについては、今日我々が知っていることについては、既に古代ギリシャや古代イスラエルの人たちが知っていたことだと言う。ドラッカー曰く、リーダーシップについて論じた体系的論文は、クセノフォン(古代ギリシア・アテナイの軍人、哲学者、著述家。アテナイの騎士階級の出身で、ソクラテスの弟子の1人でもあった)の『キュロパイダイア』をしのぐものは現れていないと断言する。(読んでみたいが、少なくとも簡単に手に取れるものは現存発刊されていない様子。)

 

「リーダーシップに代わるものはない。しかし、マネジメントがリーダーをつくることはできない。マネジメントにできることは、リーダーの資質を発現しやすくするか、発現しにくくするか、いずれかの環境をつくることだけである。しかもリーダーの資質を備える者はあまりに稀であり、かついつ現れるかを知り得ない。」(『現代の経営』)

 

このドラッカーの論が正しいとすれば、企業が自社の望ましい事業体制や組織文化を実現するために、リーダーの出現(採用であれ育成であれ)を頼みにすることはできないということだ。
事実、リーダーの出現にのみ期待するマネジメントは、結局は組織の文化のために何も行わないという結果に陥るとドラッカーは指摘する。

 

「リーダーシップには適性が必要である。(中略)リーダーシップとは姿勢でもある。しかるに、(雇用契約がマネジメントに対し、人の個性を変える権限まで与えているかは別として)人の姿勢ほど曖昧で変えにくいものはない。したがって、卓越した組織の文化をもたらすための方法としてリーダーシップに依存することは、何もせず、何ももたらさないことを意味する。」(『現代の経営』)

 

しかし一方、たとえ平凡なものであろうとも、日常の仕事...

こちらは会員限定記事です。
無料会員登録をしていただくと続きをお読みいただけます。

プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

    この登場者の記事一覧をみる