2022/08/05
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イマ、ココ、注目社長!
第251回
「ISA」を通じて、誰もが平等に教育を受けられる未来を。【後編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 株式会社LABOT 代表取締役CEO 鶴田 浩之氏
家庭環境や経済的事情のため勉学をあきらめざるを得ない学生がたくさんいます。そうした人たちにとって将来のための選択肢となりうる契約が「ISA(Income Share Agreement)」。在学中には学費の支払いが不要で、就職後に決定した年収に連動して支払額が決定する「所得分配契約」と呼ばれる契約方法です。そのISAを日本で初めて導入したのが株式会社LABOT。自社で運営するプログラミングスクール「CODEGYM」などの学生を対象に、この契約モデルを採用しています。
代表取締役CEOの鶴田浩之氏は、体が弱く不登校だった子供時代にプログラミングと出会い、ゲームに関するウェブサイトなどを運営。大学在学中の20歳で起業し、人気アプリ「すごい時間割」や「ゲームエイト」を開発しました。その後さまざまな経験を経て、現在は誰もが平等に挑戦できる教育機会の提供を目指して、事業を展開しています。これまでの歩みに加え、10年後を見据えて現在挑戦中の事業について、お話を伺いました。
日本初のバーコード出品ができる本特化のフリマ「ブクマ!」を開発
――ゲームメディアの後に新たに手がけられたのは、本に特化した日本初のバーコード出品フリマアプリ「ブクマ!」ですね。どうして本のアプリを開発しようと思ったのですか?
鶴田 次に何をやろうかと考えていたときに、メルカリが流行り始めました。創業者の山田 進太郎さんとは以前から面識があって、メルカリをつくる前に「フリマアプリをどう思う?」と聞かれたことがあります。僕はそのとき明確に答えられなかったのですが、その数か月後に彼はメルカリを立ち上げて、急速に普及させました。
僕もユーザーとして積極的に使ってみたのですが、その中で「本のフリマはどうだろう?」と思うようになりました。メルカリでも本は売っていましたが、タイトルや説明を書いたり出品が面倒だったりしたので、あらかじめデータベースを用意しておき、バーコードを読み取ったらそのまま出品できるフリマアプリはどうだろうと思い、プロトタイプで開発しました。メルカリが3分で出品とうたっていたのに対して、わたしたちは10秒で出品ができる。値段もオンライン上の相場をサジェストするので簡単に決められます。
――それは本好きにはうれしいアプリですね。反響はいかがでしたか?
鶴田 結果、週に1万冊程度は出品されるプラットフォームに成長しました。ただし、1年ほどやってみて残念なことに経営的にはうまくいきませんでした。出品者は増えるものの、買い手が少なかったんです。この買い手と売り...
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