TOP スペシャルコラムドラッカー再論 経営管理者と、その上司である経営管理者(=トップマネジメント、エグゼクティブ)の関係性。

2022/08/01

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スペシャルコラムドラッカー再論

第328回

経営管理者と、その上司である経営管理者(=トップマネジメント、エグゼクティブ)の関係性。

  • マネジメント
  • エグゼクティブ
  • 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上和幸

 

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トップマネジメントやエグゼクティブとは「経営管理者の上司」である。ではその、経営管理者の上司の仕事とは何か。その権限とは何か。その責任とは何か。

 

「美的センスだけからかもしれないが、私自身は、アメリカン・ブレイク・シューズ社のウィリアム・B・ギヴン・ジュニアの造語である<ボトムアップ・マネジメント>という言葉はあまり好きではない。」(『現代の経営』、1954年)

 

しかし、この言葉が意味することは重要だとドラッカーは述べている。
経営管理者間の上下関係は、上から下への関係ではない。上下間の二方向の関係でもない。

 

「経営管理者間の関係は三つの次元である。第一が下から上への関係であり、第二が全体との関係であり、第三が上から下への関係である。これら三つの関係は、基本的にすべて責任に関わる関係である。義務に関わる関係であって、権利に関わる関係ではない。」(『現代の経営』)

 

あらゆる経営管理者が、自らの上司が率いる部門全体の目標達成にとって必要なことに貢献する責任を持つ。すなわち、第一に上への責任を持つ。そこから自らの仕事の目標が規定されてくる。

 

第二に、あらゆる経営管理者が全体に対する責任を持つ。彼らは自らの部門に課された課題を分析し、目標を達成するために必要な活動を明らかにする。その上で、それらの活動に必要なマネジメント上の仕事を決定する。

 

「そして部下の経営管理者を協力させ、彼らの利益と企業全体の利益を一致させるよう助力する。さらには、それらの仕事に部下を配置する。成果をあげられない者を異動させ、大きな成果をあげる者に報い、特に卓越した成果をあげる者に特別の報奨と昇進を与える。そして部下たる経営管理者が、全力をあげて明日の仕事に備えることができるよう助ける。」(『現代の経営』)

 

これらはすべて、重要な責任だ。しかし、他の者=部下たちが負う責任ではない。他のあらゆる種類の責任と同じように、彼=トップマネジメントやエグゼクティブ自身が負う責任である。

 

第三に、トップマネジメントやエグゼクティブは、下への責任、すなわち部下たる経営管理者に対する責任を持つ。トップマネジメントやエグゼクティブたる者は、部下である経営管理者が彼らに求められていることを知り、理解できるようにする。彼ら自身が目標を設定することを助ける。そしれ、それらの目標を達成することを助ける。従って、トップマネジメントは部下である経営管理者が必要とする道具やスタッフや情報を与える責任を持つ。助言を与え、相談に乗る。必要があれば、より優れた仕事を行える教える。

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プロフィール

  • 井上和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1989年早稲田大学卒業後、リクルート入社。2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年よりリクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)。2010年に経営者JPを設立、代表取締役社長・CEOに就任。 『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ずるいマネジメント』(SBクリエイティブ)『30代最後の転職を成功させる方法』(かんき出版)など著書多数。