2022/07/27
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イマ、ココ、注目社長!
第248回
硬直化した与信を柔軟にし、最適な金融サービスを届ける。【後編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- Crezit Holdings株式会社 代表取締役CEO 矢部 寿明氏
「個人の与信の課題を解決する」というテーマを掲げ、与信プラットフォーム「Credit as a Service」を展開するFinTechスタートアップ、Crezit。創業者の矢部寿明氏は、大学在学中から起業にチャレンジし、卒業後はGEとBASEというタイプの異なる企業でおのおの約1年間経験を積んで、独立後わずか1ヶ月で会社を設立しました。
貧困層への小口金融であるマイクロファイナンスへの関心をきっかけに、個人の可能性を開く柔軟な金融プラットフォームの構築を目指しています。そのスピーディーなキャリア展開と起業までの経緯、事業の構想や今後の展望について伺いました。
BASE退職後1人で創業、翌月にVCから7000万円調達
――創業時はどんな体制でスタートしたのですか。
矢部 会社を設立したときは1人でした。4月に資金調達して、5月にワンルームのオフィスを借りて、あとはひたすら仲間さがしをしていましたね。サービスをつくろうにも、エンジニアもいませんでしたし。夏ぐらいからようやく、副業や業務委託で参加してくれる人がちらほら集まり始めた感じです。結局、最初のサービスをローンチするまでに約1年かかりました。
――最初のサービスはどんなものだったのでしょう。
矢部 前編でお話しした「個人の与信」の課題を解決するには、多様な信用情報を集約する、プラットフォームを構築すればいいと考えています。そのためには、どうやってその情報を集めるかがポイントになります。そこで、金融機関以外の企業が自社のプロダクトやサービスを販売するときに金融サービスを組み込む、その金融サービスの部分をわれわれが提供すれば、多様なデータが集まるのではないかと考えたわけです。
――なるほど。
矢部 BASEでの経験で、限られたマーケットに対して金融サービスをつくるのは本当に大変だと実感しました。その部分をCrezitが肩代わりできればいい。ただ、いきなり他社に提供できるようなサービスをつくるのは難しいので、創業時はまず、自社で直接消費者向けのサービスを提供することから始めました。
――金融業で起業するのは、なかなかハードルが高いのでは?
矢部 ライセンスを取らなくてはいけませんし、それには一定の資本金が必要です。そこで、創業直後にVCから7000万円資金調達しました。学生時代やBASEでの起業と違って、投資家のお金を預かるのは初めてだったので、早く結果を出さなければと焦りま...
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