2022/07/13
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イマ、ココ、注目社長!
第245回
「品質の良さの数値化」で拡がる、日本の「食」の可能性【前編】
- 経営者インタビュー
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- 小澤 亮氏 dot science株式会社 代表取締役
うま味、香り、口どけの良さなど、これまで感覚的に語られてきた「食」の魅力を数値化することで、マーケティング業界に新風を吹き込んでいるベンチャー「dot science(ドット サイエンス)」。
同社を率いるのが、ヤフー、フリーのウェブマーケターを経て起業した小澤亮氏。ヤフー時代、全国的には無名の食品メーカーがオンライン通販で大きく売り上げを伸ばしているのを見て、「食」の伸びしろに気づいた小澤氏ですが、フリーのウェブマーケターとして独立後は、こだわりのものを作る生産者や小さな食品メーカーのサポートを始めました。
その時の出会いをきっかけに「dot science」を設立し、品質の良さの数値化に焦点を当てたマーケティングを展開していくことになります。前編は、「dot science」立ち上げまでのストーリーをお伺いしました。
(聞き手/川内 イオ)
ヤフオクで学んだ「モノの売り方」
――小澤さんはこの10年間、「食」の分野で質の高い仕事をしている生産者や作り手をサポートされたり、コラボされたりしています。子どものころから、食への関心が高かったんですか?
小澤 正直、食に関してはまったくこだわりがないまま社会人になりました(笑)。いまの仕事とのつながりでいうと、僕は静岡県の三島市出身で、サッカーマンガの『キャプテン翼』に出てくるゴールキーパーに憧れて、小、中とゴールキーパーをしていました。得点を狙いにいくような性格というよりは、後ろでどっしり構えて、みんながどうやったら目標達成できるかを考えるタイプだったので、そこはいまと通じるところがありますね。
もうひとつ、いまの仕事につながるところがあるとしたら、高校時代からヤフオク(ヤフーオークション)で古着を売っていたことです(※当時の規約は「満18歳以上」なので問題なし)。
――ヤフオクがいまの仕事に役立っているんですか?
小澤 はい。母親がもともと文化服装学院の出身だったこともあって、服はこう撮った方がいいとか、タイトルはこうしたほうがいいとか、買う人が迷わないように着丈、身幅、肩幅もちゃんと測って記入しなさいとか、いろいろチェックしてくれたんです。そのときに、こんな情報を出すと人はモノを買ってくれるんだっていう感覚を身に着けることができたと思います。
大学進学で上京してからは、家庭の事情もあって自分でまとまったお金を稼ぐ必要があり、本気でヤフオクに取り組むようになって。心理学、行動経済学、コミュニケーションデザイン、コピーライティングなど、いかに人に良さを伝えて行動につなげるかという内容の書籍を1日5...
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