TOP スペシャルコラムドラッカー再論 マネジメントは目標設定に責任を持つ。そのために、行うべきことは——。

2022/06/27

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スペシャルコラムドラッカー再論

第323回

マネジメントは目標設定に責任を持つ。そのために、行うべきことは——。

  • マネジメント
  • エグゼクティブ
  • 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

 

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「マネジメントとは、その定義づけからして、自らの率いる部門がその属する上位部門に対してなすべき貢献、つまることろ企業全体に対してなすべき貢献について責任を持つ者である。」(『現代の経営』、1954年)

 

つまりマネジメントの仕事は、下に向かってではなく上に向かって行われるのだ。ドラッカーがこう言っていることに、皆さん、もしかしたら驚かれるかもしれない。下手をすると、「ドラッカーが忖度を進めているの?」などと。そうではない。

 

「目標は、その属する上位部門の成功に対してなすべき貢献によって規定される。」(『現代の経営』)

 

営業部長の目標は営業部全体に対してなすべき貢献によって規定され、技術プロジェクト担当部長の目標は技術部門全体に対してなすべき貢献によって規定される。
事業部長の目標は、彼の事業部が企業全体の目標に対してなすべき貢献によって規定される。

 

「マネジメントたる者は、自らが率いる部門の目標は自ら設定しなければならない。上司は、そのようにして設定された目標を承認する権限を持つ。だが、目標の設定はあくまでも部門長の責任であり、しかも最も重要な責任である。」(『現代の経営』)

 

このことは、あらゆる部門長が自らの属する上位の部門全体の目標設定について、責任をもって参画しなければならないことを意味する。人間関係論的に言われる「参加意識」ではまったく不十分だとドラッカーは指摘する。
マネジメントであるということは、現実に責任を持つことを意味するのだ。

 

「目標は、好みではなく、組織の客観的なニーズによって設定しなければならない。まさにそれゆえに、誰もが自らの属する上位部門の目標の設定について積極的に参画しなければならない
。」(『現代の経営』)

 

「事業全体の究極の目標は何であるか」を知り、その内容を理解しなければならない。そして「自らに何が求められ、それをいかなる理由でか」「自らの成果は、何によって、いかに評価されるか」を知り、理解しなければならない。

 

「上位の部門に対して貢献をなすべき者は全員、その上位の部門の目標について徹底的に考えなければならない。言い換えるならば、上位の部門の目標設定に対し、責任をもって積極的に参画するようになっていなければならない。上位の部門の目標設定に参画して初めて、彼らの上司も、「彼らに何を期待し、どれだけの厳しい要求を課すことができるか」を知ることができる。」(『現代の経営』)

 

ドラッカーはこれを機能させるために、マネジメント・レター(なるもの)を書かせている組織のことを...

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プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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