TOP スペシャルコラムドラッカー再論 生産システムを最適にマネジメントする方法。

2022/05/02

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スペシャルコラムドラッカー再論

第315回

生産システムを最適にマネジメントする方法。

  • マネジメント
  • エグゼクティブ
  • 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上和幸

 

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事業上の目標を達成する能力は「必要な品質のもとに」「必要な価格で」「必要な期間内に」「必要な柔軟性を持って」生産する能力にかかっているとドラッカーは説明する。

 

「したがって、目標の設定において生産の能力は極めて重要な意味を持つ。マネジメントの仕事は常に、物的生産に関わる制約を押し戻すことにある。」(『現代の経営』、1954年)

 

それどころかマネジメントは、それらの物理的な制約を機会に転換すべく事業をマネジメントしなければならない。
生産に関わる物理的な制約について、これまでマネジメントは生産部門に圧力をかけて解決することを常としてきた。生産部門ほど、上からの圧力によるマネジメントが一般化している部門は他にないとドラッカーも認めている。これに対して生産部門は、機械の設計から設備のエンジニアリングにいたる技術の力によって応じてきた。

 

「だが、それらのいずれも問題を解く鍵ではない。物理的な制約を押し戻し、逆にそれを機会とするには、マネジメントは、まず第一にいかなる生産システムが必要であり、その生産システムの原理が何であるかを理解しておく必要がある。そして第二に、その原理を一貫して適用する必要がある。」(『現代の経営』)

 

生産活動とは原材料を機械にかけることではない。それは論理を仕事に適用することだとドラッカーは説明する。正しい論理を明快かつ一貫して正しく適用するほど、物理的な制約は除去され、機会は増す。
生産システムが異なれば、あらゆる領域とあらゆる階層においてマネジメントに要求されるものが異なってくる。それぞれの生産システムがそれぞれに異なる能力、技術、仕事ぶりを要求する。マネジメントは、それぞれの生産システムが要求するものを理解しないかぎり、生産活動において優れたマネジメントを行うことはできない。

 

「われわれが知るかぎりでは、生産活動には三つの生産システムがある。個別生産、大量生産、プロセス生産である。あるいは大量生産を二つに分け、四つに分類することができる。すなわち、単一の製品を生産する旧型の大量生産と、規格化された部品を生産するがそれらの部品によって多様な製品を組み立てる新型の大量生産である。」(『現代の経営』)

 

これらの生産システムは、それぞれが異なる原理を持つ。そしてマネジメントに対して異なる要求を課す。しかも生産能力の向上と制約の除去に関しては2つの原則がある。

 

1)それぞれの生産システムに特有の原理を一貫して適用するほど、生産に関わる制約は大幅に、かつ直ちに除去される。
2)それぞれの生産システムは異なった進化の段階にある。個...

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プロフィール

  • 井上和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1989年早稲田大学卒業後、リクルート入社。2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年よりリクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)。2010年に経営者JPを設立、代表取締役社長・CEOに就任。 『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ずるいマネジメント』(SBクリエイティブ)『30代最後の転職を成功させる方法』(かんき出版)など著書多数。