TOP スペシャルコラムドラッカー再論 ドラッカーが説く「AI時代のマネジメント」。

2021/11/22

1/1ページ

スペシャルコラムドラッカー再論

第293回

ドラッカーが説く「AI時代のマネジメント」。

  • マネジメント
  • エグゼクティブ
  • 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上和幸

 

60秒で簡単無料登録!レギュラーメンバー登録はこちら >

 

 

AIが過半数の仕事を無くし(奪い)、管理職的マネジメント業務も不要のものとするという言説が流れて5~6年経つ。その行く末がどうなるのかは、今日現在ではまた非常に不透明な状況だが、なんと70年近く前にドラッカーが、これに関する話をしていたのをご存知だろうか?

 

「すでにオートメーションについては、かなり誇張されたSF小説が書かれている。(中略)今日オートメーションという新しい技術の登場が、1930年代の「計画万能主義」のあらゆるスローガンを復活させようとしている。それら一群の三文小説は、かのテクノクラートによる楽園という悪夢を描く。そこでは人による意思決定、人による責任、人によるマネジメントは必要とされず、人工頭脳の操作するスイッチが膨大な富を生み、配給する。(中略)さらにまた、スイッチだけで動く未来の工場には、働く人たちがほとんどいなくなると説く。」(『現代の経営』、1954年)

 

どうだろう、表現の古さは部分部分にあれども、いま言われているAI時代の働き方と、まったく同じ話が70年近く前に既にされていた。
そしてドラッカーは、その当時からドラッカー的な視点でこれに対する整理と理解をしている。

 

そもそもオートメーション(=自動化、現在でいうところのAI化)とは、技術や機械や装置を、なすべき仕事によって規定することであって、技術や機械や装置がオートメーションを作るのではない。またそれらのものを使うことがオートメーションであるわけでもない。
オートメーションとは仕事の組織化についてのコンセプトであり、したがって工業生産のみならず流通や事務の仕事にも適用される、と。

 

いま我々が聞けば、なんの違和感もなく、異論もないだろう。

 

「オートメーションという新しい技術が人間の労働をロボットに代えるという通念は、完全な誤りである。(中略)新しい技術は、配置転換という新しい問題の発生を伴うものの、より多くの人間、特に高度の技術をもつ高度の教育を受けたより多くの人間を必要とする。(中略)現在起こっている技術の変化は、人の労働を余剰になどしない。逆に、高度の教育を受けた膨大な人たちを必要とする。」(『現代の経営』)

 

より多くの経営管理者や技術者を必要とするようになり、あらゆる国において、この(当時でのオートメーション化、現代のAI化という)技術の進展、それによる社会変化を阻む主たる障害は、教育と訓練を受けた人材の不足であることはほとんど間違いないと、ドラッカーは述べている。

 

「何よりも、オートメーションという新しい技術の到来が経営管理者を過剰にすることはない。経営管...

こちらは会員限定記事です。
無料会員登録をしていただくと続きをお読みいただけます。

プロフィール

  • 井上和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1989年早稲田大学卒業後、リクルート入社。2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年よりリクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)。2010年に経営者JPを設立、代表取締役社長・CEOに就任。 『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ずるいマネジメント』(SBクリエイティブ)『30代最後の転職を成功させる方法』(かんき出版)など著書多数。