TOP 経営幹部・エグゼクティブのためのキャリア&転職を考える 転職回数が多いマネジメント人材が書類選考を突破するには

2021/11/05

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経営幹部・エグゼクティブのためのキャリア&転職を考える

第11回

転職回数が多いマネジメント人材が書類選考を突破するには

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マネジメント以上の転職が一般的になり、転職回数そのものだけが問われるケースは少なくなりました。
しかし、選考において見ているポイント、こだわりたいポイントは存在します。

 

採用選考においては、書類選考が第一次関門となります。企業側は、募集ポジションの役割や自社の状況、カルチャーなどを念頭に置きながら、「自社で即戦力として活躍いただけるかどうか」を見ています。
ここでは、CFOへの道を志すお2人の例を参考にしながら、特に書類選考における企業側の視点を深めていきます。

 

AさんとBさんの事例

Aさん(42歳)

 

1社目:地元の中小企業で経理財務を経験。業界再編の流れの中で会社業績が急激に悪化し、会社都合で退職。

 

2社目:関東圏以外に本社がある上場企業の東京支店経理として業務フローの改善などに取り組む。本社経理に引っ張られ主計業務を中心としながら、成長期の企業の中で様々なプロジェクトに従事。その後、新たに東京で立ち上げる子会社管理部門責任者として異動するが、子会社が親会社に吸収され、東京での勤務を継続したいと退職。

 

3社目:大手グループ傘下の企業での管理部長。管理部門全体を見る話しに興味を持ち入社するが、実際には、親会社との兼ね合いで仕事の幅を狭く感じ、自分で意思決定をしながら貢献できる場に移りたいと考え転職を決意。

 

4社目:新興市場へのIPO直後、管理部門の体制強化を図っていきたい企業で、経理財務を中心とした管理部門の体制構築、二部、そして一部への鞍替えのプロジェクトを率いる。事業系にも大きく踏み込み、既存事業のテコ入れや新規事業の立ち上げなども推進。しかし、コロナ禍で大幅に業績悪化し、リストラを遂行。組織をスリム化した上で、ご自身も退職。

 

5社目:中堅オーナー企業にCFO候補として入社。IPOも視野に入れていると聞いていたが、コンプライアンス面含めた経営における考え方がオーナーと合わず、色々と進言をしているものの並行線の状態。やむを得ず、ご自身の価値観と近く、過去の経理を中心とした上場企業での管理部門の経験やIPO経験を活かせる場を探して転職活動中。

 

 

Bさん(42歳)

 

1社目:大手金融機関にて上場企業向けの投資銀行業務(M&A・ファイナンス・IR等)と企画業務(KPI・資源管理・事業戦略等)に従事し、様々な企業の経営戦略に関わる。この間に数社合併や関連する証券会社への出向なども経験、40歳を前に別の環境で自分を試したく転職を決意。

 

2社目:あるアドバイザリー会社からM&A部門の立ち上げの話を受けて入社をし、当時滞っていた業務の促進や大口クライアントの獲得などで実績を上げる。

 

3社目:ある事業会社からCFOとして、ファイナンス関連を中心に管理部門全体を率いてほしいと話を受け、事業会社でのチャンスは貴重だと入社を決意。ただ、入社後に当初聞いていた話と体制面が大きく異なり、自ら決算の取りまとめなど手を動かす部分も多くなっている状況。ご本人としては、部下育成や体制構築などを行ってはいるものの、ご本人が感じる「こうあるべき」姿と経営陣の考えとのギャップが大きいこと、また本来志向していたM&Aや戦略などに期待があるような場を求めたいと転職を検討中。

 

歩んできた道の背景にあるストーリーが納得性をもって伝わるか。

AさんとBさんの事例をご覧になり、どのような印象を受けましたか。

 

Aさんは、年齢からした経験社数は少し多いものの、各企業の退職/転職理由には一定の理解ができ、会社ごとに職責を広げ、在籍企業が直面している状況を乗り越えてきたように見られます。一方で、経営側との対話を含めてできることを行った上で、転職したのかどうかは気になります。Bさんは最初の会社で長く活躍され、ご経験や実績も豊富なことは一見、安心感につながりますが、2社目・3社目の在籍期間が短い点は否めません。特に3社目の記載と転職を考えた時期から、事業会社のCFOをお任せする上で、1社目の金融機関からみた「あるべき論」をかざす傾向が強いのではないか。本当に組織のせいなのか、他責にしているのではないか、といった懸念を感じる可能性があります。

 

一般論として、企業は、経験社数だけではなく、それぞれの場でどういったスタンスで具体的に何をやったのか、どのくらいの期間で何を成し遂げたのかなどの中身と、各社を移ってきた背景・その裏にあるストーリーに納得性があるかを見ています。

 

その観点に基づいてアドバイスをすると、Aさんは、特に核となる2社目・4社目について当時の状況をどう見立て、何を考えてどう動いた結果どうなったのか、自身がどう考え職掌を広げていったのか、管理部門全体がどのような体制になっており何にどこまで関わっていたのかを明確に記載すること。そして、在籍各社の退職/転職理由と退職を決めるまでに経営側との話し合いを行ったのか、双方の考えが異なった点も含めて具体的に書くとより良くなります。Bさんは、特に3社目について、自分が考える「こうあるべき」姿と現状のギャップを具体的に記載すること。また、1社目や2社目の経験を活かして、事業会社側でどのような動きをしたのか、Bさんが活躍しやすい組織規模や組織体制を意識しながら「手を動かす」の度合いも伝えられると良いです。経営層であってもプレイングで動くのを求められるケースは多いため、体制が整っている企業で部下に実務を行う方がいる組織であれば理解できるものの、ベンチャー企業や中小企業であれば「ウチも同じ状況になるのでは」と危惧されることもあるからです。

書類選考を突破するうえで、必要なことは何か

書類選考を突破するために、必要なことは何か。Aさん、Bさんのケースから言えることは、それぞれの応募書類から、それまで歩んできた道が納得性のあるストーリーとして伝わるか。そして、マネジメント層を外部から招聘しようとする企業が直面する変革や成長、その他体制強化などの状況に対して、応募書類の記載が「この方ならば力を発揮いただけるのでは」という一定の期待を持てる内容になっているかです。
特に転職回数の多いマネジメントが、これらを書類で上手に表現するには、①職務要約(自己紹介)②職務経験詳細をどう使うか、そして、③転職/退職理由も含めたストーリーを記載することが大切になります。

 

①職務要約
職務経歴書の冒頭にある職務要約欄を効果的に使うと「自分の経験と強み、応募先企業への貢献ポイント」また、「今後の方向性」を端的かつ率直に伝えることができます。経験社数が多い方は特に職務記載が複数社にまたがり、応募先企業側に伝えたい内容の焦点がぼやけてしまうことがあります。「要約」を逸脱しない位の行数(5-8行程度)でご自身の経験の中で伝えたい内容をわかりやすくまとめることで、冒頭で相手の興味を惹き、詳細につなげていくことができます。

 

②職務経験の詳細
経験社数が多い方は、全体の枚数を抑えるために各社の職務経験を端的に結果のみ記載する方が多いです。しかし、マネジメント層の場合、これは逆効果です。企業側は過去の実績や経験から入社時の貢献をイメージするため、どこで何をやったかの結果よりもむしろ、
・当時どのような状況に置かれていたか
・それに対して、あなたはどのような取り組みテーマを立てたか
・どのように実行したか
・結果的にどういった成果が定性・定量で出たのか
の要素を的確に伝えることが重要になります。
特に直近10年程度、ご自身がマネジメントとして組織を率いた際の内容を具体的に記載いただくことで、ご自身の強みや考え方などの「あなたらしさ」が伝えていきましょう。

 

③転職/退職理由
転職した背景や理由から候補者の志向や大切にするポイント、それまでの歩みのストーリーを読み取ることができます。企業側も転職理由に納得ができれば、経験の中身により重きを置いて判断ができ、よくわからないけど職歴が多いからNGにという状況になるリスクを減らすことにつながります。

 

ご自身の志向にあう次の場との出逢いを引き寄せるためにも、まずは企業との面談の場に進むためにも上記観点を踏まえながら改めてご自身の書類を見直してみてはいかがでしょうか。もちろん、1人ではイメージがわかないこともあるはずです。そういった時にはぜひお気軽にご相談ください。
※担当希望コンサルタントがいる場合は連絡事項欄にご記入ください

※現状ご経験に合う案件情報が無い場合には、案件情報が入り次第のご面談とさせて頂く場合がありますこと、あらかじめご了承ください