TOP 社長を目指す方程式 誰でも実践できる「職場で好感を持たれる」ワザ 接近戦の重要性

2021/05/25

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第66回

誰でも実践できる「職場で好感を持たれる」ワザ 接近戦の重要性

  • キャリア
  • マネジメント
  • ビジネススキル
  • 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上 和幸

 

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今回の社長を目指す法則・方程式:

「単純接触効果」

 

前々回、イマドキ若手への上司としての影響力の発揮方法についてご紹介しました。ところで、そもそも皆さんは、どのようなスタイルで日頃、周囲に対してご自身の影響力を発揮されていらっしゃるでしょうか?

影響力の5つの源泉

リーダーの影響力の源泉には、「すごい(専門性)」「すてき(魅力、人間性)」「ぶれない(一貫性)」「ありがたい(返報性)」「こわい(権威、厳格性)」の5つがあると言われています。

 

<プロフェッショナルで、ルックス・雰囲気も良く、人格的にも優れており、いかなる時にも一貫した判断をし、何かあれば助けてくれて、しかし目の前でいい加減なことは絶対にできないという緊張感がある>

 

こんな人が、絶大な影響力を持っているということになりますね。どうでしょう、皆さんの周りにこのような人はいらっしゃいますか? また、あなた自身はどれくらい該当しますか?

 

一般的には、なかなかこの5つの源泉を完備している人はいませんね。努力だけではどうしようもないものも少なくありません。しかしこの中で、誰でも今日から実践できる簡単なことがあります。それは、自分からの働きかけで<「すてき」度>をUPさせることです。

接触回数増=知っている度合い増→好意

「え、<すてき度>こそ持って生まれたもので、努力ではどうしようもないものじゃないの?」

 

そう思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。解説しましょう。

 

読者上司の皆さんにも、日頃長らく愛用している飲料、お菓子、シャンプーやコスメなどがあると思います。

 

あなたが長らく慣れ親しんだ商品が、ブランドや中身は変わらないのにパッケージを変更されたとき、「なんだよ、前のほうがよかったのに」と思ったことはありませんか? 逆に、最初はあまり好きになれなかったCMソングやドラマの主題歌が、回数を経て聞けば聞くほど、どんどん好きになりハマったという経験をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。

 

人は、初見で好きでも嫌いでもない相手に対して、接触頻度が増せば増すほど好意が増すという心理があるのです。これが「単純接触効果」です。

 

人は初めての相手、よく知らない相手との接触に対して心理的な負荷がかかります。これが苦手意識や「あまり好きではない」という感情を産みます。そこから接触回数が増すと、その相手に対する理解が進み(どういう人か、すでに知っている)心理的負荷が下がるため、それが相手への心理的障壁をどんどん低くし、逆に親しみへと変わっていくのです。

 

これは先の愛用品の話の通り、人だけでなく、ものや音楽などに対しても同様の心理が起こることが分かっています。理屈がわかってみると納得。「ヘビーローテーション」というのはヒットのための王道なのですね。

単純接触効果は遠隔操作も可能

要するに私たちは、相手のことをより楽に知覚することができるという認知的な処理の心地よさを、その相手に対する好意と勘違いしているのです。これを「誤帰属」と言います。

 

この錯覚を使わない手はありません。上司の皆さんは、ご自身に好意を引き寄せる策として、部下たちや社内外の関係者に対して、接触する頻度を増やせばよいのです。朝会、1on1、フロアでの声掛け。使える手段は徹底的に使いましょう。

 

実は、心理学の実験により、この単純接触効果は直接対面で触れ合わなくとも発揮されることが実証されています。相手の視界に入る頻度が高まれば、同様の効果が期待できるのです。

 

そこで、大手企業の経営陣の皆さんが大勢の社員たちに対して、上司の皆さんが取引先各社の方々などに対して、遠隔操作での単純接触効果を使う手があります。

 

頻繁に直接接触することは難しい従業員規模の社長や経営幹部であれば、社内報などを使ってメッセージやコメント、コラムを寄せることも非常に効果的。社外の方々に対しては、取引先や会員の方々にメールマガジンやSNSでの発信を行う。その内容は、自社製品の紹介など形式的なものではなく、あなた自身の等身大の言葉やエピソードであることが鍵です。

 

こうした発信を相手に届けていると、直接会っていなくても、相手はあなたのことをあたかも「いつも会っている人」のように感じてくれるのです。

単純接触効果の落とし穴

普段からこうした発信をしていると、その上で数年振り、あるいは十数年振りにお会いするという場面でも、相手がこちらに非常に近しく親しい感情を持ってくださっていて、結果として商談やパートナーシップなどがスムーズに進むことは非常に多くあります。(何を隠そう、私自身、当社で継続的に色々なチャネルで発信しているため、このようなご縁の恩恵をいつも受けています。)

 

そういう意味では、このコロナ禍の中でリモートワークが中心となることは、上司の皆さんの魅力度UPのチャンス、あるいはメンバーの皆さん同士の親しさや好感度合いを増す機会を阻害している部分があるわけです。ビフォーコロナなら、同じフロアにいるということだけで、自然と単純接触効果が働いていたのですが、それがなくなってしまった…。オンラインミーティングでもよいのですが、かなり意識し、意図して接触頻度を高める動きが欠かせませんね。

 

さて、このように、使わない手はない単純接触効果ですが、一つだけ落とし穴があります。

それは、初見でかなりの程度で嫌われている相手に対しては、この繰り返し接触策、接触頻度UP策は逆効果となるということ。相手が明確にあなたのことを嫌っている場合には、その相手に接触頻度を高めることは、火に油を注ぐ結果となります。逆に嫌われる度合いを更に助長しますので、くれぐれもご注意を。

 

 

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部下や取引先などと、気まずいな、何か話しにくいなというような時に、そのまま遠ざかることは百害あって一利なし。思い切って直接話しをしてみれば、案外すぐに打ち解けられる可能性も大きいものです。フットワーク良くチームメンバーや取引先の方々にこちらから接近戦を試みましょう。

 

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※この記事は、「SankeiBiz『井上和幸 社長を目指す方程式』」の連載から転載したものです。
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プロフィール

  • 井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。