2021/04/20
1/2ページ
ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
第104回
話すも聞くも議論するのも、結論と根拠のピラミッドでやってみよう
- キャリア
- ビジネススキル
- 伊藤 羊一氏 武蔵野大学 アントレプレナーシップ学部学部長 Musashino Valley代表 LINEヤフーアカデミア学長 Voicyパーソナリティ
3、コミュニケーションに活用する(議論する時)
「聞く」時に活用できたら、議論する時にも応用できます。「議論する」というのは、相手と自分で(またはそれ以上で)意見を出し合い、その議論の結果、ある結論を出す行為です。ですので、自分にも結論と根拠のピラミッドがあり、相手にもピラミッドがある、それを見せ合いながら話す、ということですね。
もちろん、参加者がしっかりとピラミッドを用意して議論に臨むわけではないので、まずは、参加者がどんなピラミッドを持っているのか、整理していくことがファーストステップです。それは、「聞く」時のやり方がそのまま使えます。みんなで、まずはそれぞれの参加者がどういうピラミッドを持っているのか、明確にしていきましょう。最初から明確にない場合は、「今考えるとするとどういうピラミッドになるだろう」と、議論の中で自分のピラミッドを一人一人作っていきましょう。
参加者それぞれのピラミッドが明確になったら、それを踏まえてどうするかを、話します。参加者のピラミッドの結論部分が、その人の「主張」「意見」になるわけですから、各参加者のピラミッドを全員で理解します。
そのうえで、議論の結論を出す際は、パターンとしては、(1)自分の結論とするか、(2)相手の結論とするか、(3)自分と相手の結論をがっちゃんこするか、(4)自分と相手のピラミッドを考えたうえで、新しい結論を出すか、の4種類になります。
多くの場合、(1)と(2)で「どっちをとるか」という話に終始し、感情的な言い合いになったりします。そして、これを解決するには、両方をたてよう、ということで(3)の結論になり、それが「ベストな結論」であればいいのですが、往々にして、感情的になってしまった状況を解決するために(3)を選択した場合、(1)や(2)よりもレベルが低くなったりします。
よりよい結論を出すためには、(4)の「新しい結論、新しいピラミッド」を一緒につく作るのだ、という意識で臨むのが明らかによい方法です。(1)や(2)の結論になることもありますが、それだけですと、「とるか、とられるか」となりがちです。それだけではなく、「この議論で、よりよい結論を一緒に出す」ことを是非、意識してみてください。
議論を明確にするために、「結論と根拠のピラミッド」で考えてみる。是非、試してみてください。
4、おわりに
話すにしても、聞くにしても、議論する時にも、結論と根拠のピラミッドを活用することで、圧倒的に話の構造が分かりやすくなります。最初からうまくできないかもしれませんが、「ピラミッドで考え、ピラミッドでコミュ二ケーションする」を意識して実践すれば実践するほど、やりやすく慣れてきます。みなさんのコミュニケーションがより良くなることを、心から願っています。 他の記事も読む。60秒で簡単無料登録!レギュラーメンバー登録はこちら >■書籍情報
1分で話せ2【超実践編】 世界のトップが絶賛した即座に考えが“まとまる”“伝わる”すごい技術 (日本語) 単行本(ソフトカバー)
著者:伊藤 羊一
出版社: SBクリエイティブ
価格:1,540円(税込)
※この記事は、アイティメディア株式会社の許諾を得て
「ITmediaエグゼクティブ『ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術』」
の連載から転載したものです。無断転載を禁じます。
Copyright(C)ITmedia,Inc. All Rights Reserved.