2020/11/06
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イマ、ココ、注目社長!
第118回
ITでノンデスクワーカーの能力を解放したい。 生産性高く楽しく働ける現場を、5年後10年後のあたりまえに。
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- 諸岡 裕人氏 株式会社カミナシ 代表取締役
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ブルーカラー×業務効率化×SaaS ――これまで、IT化やDXといった言葉から取り残されている感のあった、ノンデスクワーカー(ブルーカラー)の職場。そこに、独自開発したアプリ「カミナシ」を導入して、現場の業務効率化や品質管理の一元化を一気に進めようとしているのが、株式会社カミナシの代表取締役・諸岡裕人さんです。
千葉県成田市の起業一家のもとで育ち、ブルーカラー領域を選んだのも、32歳までに会社を興すと決めていたのも、父の背中を追ってのこと。もともとは純粋に家業を継ぐつもりだった諸岡さんですが、労働集約型産業の未来に陰りを感じ、IT領域での起業を意識し始めます。
約3年半ものトライ&エラーを繰り返したあと、可能性はすでに自分の手に握られていたことに気づいたのが2019年11月。そこからサービス内容を一新し、2020年6月、現在のプロダクトをローンチします。
直後から始まった快進撃。ブルーカラーの現場を抱える各業界のトップ企業から、相次いで問合せが寄せられているという現・カミナシのサービス、開発にあたっての目の付けどころ、メンバー全員が狂気をはらんでおこなっているというカスタマーサクセスのポリシー、シンプル明快な経営者としての在り方など、気になるあれこれをうかがいました。
(聞き手/井上和幸)
労働主役型産業の未来に危機を感じITに着目
――会社経営をされているご実家だそうで、はじめから継ぐことは決まっていたのですか?
諸岡 ええ、もう小さいうちから。「サッカー選手になりたい」というと、両親だけではなく祖父母からも否定されるような家で(笑)。それ、僕がまだ5,6歳くらいのころからですからね。両親、祖父母、父方のおじ、おば、母方の祖父もみんな商売をやっていて、勤め人はほぼいない。大学卒業後、社会勉強も兼ねて一度は就職しましたが、家を継ぐことが前提で、最初から「3年で辞めます」という前提で入社しました。
――そうなのですね。ご実家を継ぐ際は、自分でも何か新しい事業を興そうと思われていたのですか?
諸岡 いえ、当時は純粋にこれまでの事業を継ごうと思っていました。成田市ということもあって、父は航空関連の請負業をしていたのですが、競合がほとんどいなくて一度もチャーンされたことがない。当時でも売上げが30億くらいあって、しかも海外からどんどん人が入ってくる時代だったので、僕が戻ってからも5,6年ほどで倍増していました。
――すごいですね!
諸岡 ただ、それをずっとやっていると見えてくるものもあって、実家の事業は労働集約の最たるもの。比較的安く雇用できる外国...
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