TOP スペシャルコラムドラッカー再論 企業家精神とは何か。

2020/10/12

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スペシャルコラムドラッカー再論

第238回

企業家精神とは何か。

  • エグゼクティブ
  • マネジメント
  • 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上和幸

 

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フランスの経済学者、J.B.セイ(1767 -1832)は「企業家は、経済的な資源を生産性が低いところから高いところへ、収益が小さなところから大きなところへ移す」と言った。
そのために企業家はリスクを冒す。そもそも経済活動の本質は、現在の資源を将来の期待のために使うこと、すなわち不確実性とリスクと共にある。

 

「確かに、確実性を必要とする人は、企業家に向かない。だがそのような人は、政治家、軍の将校、外国航路の船長など、いろいろなものに向かない。それらのものすべてに意思決定が必要である。」(『イノベーションと企業家精神』、1985年)

 

意思決定の本質は不確実性にある。ドラッカーは、意思決定を行うことのできる人ならば、学ぶことによって、企業家的に行動することも企業家となることもできると言う。

 

「企業家精神とは気質ではなく行動である。しかもその基礎となるのは、勘ではなく、原理であり、方法である。」(『イノベーションと企業家精神』)

 

企業家精神の原理とは、「変化を当然のこと、健全なこととする」ことだ。企業家精神とは、すでに行っているものをより上手に行うことよりも、まったく新しいことを行う、そこに価値を見出すことであるとドラッカーは述べている。
これこそまさに、冒頭に紹介したセイが言った「企業家」という言葉の本質であった。

 

「それは権威に対する否定の宣言であった。すなわち、企業家とは、秩序を破壊し解体する者である。シュンペーターが明らかにしたように企業家の責務は「創造的破壊」なのである。」(『イノベーションと企業家精神』)

 

企業家は変化を当然かつ健全なものとする。彼ら自身は、それらの変化を引き起こさないかもしれない。しかし、変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。これが企業家および企業家精神の定義である。

 

ふと、リクルートのかつての社是であり、いまも根強くリクルートOB達がその礎にしているフレーズ、「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」を想起した。江副さんもまた、企業家精神の権化のような人であり、企業家精神の持ち主を累々と生み出し続ける呪文を掛けたのかもしれない。

 

 

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プロフィール

  • 井上和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1989年早稲田大学卒業後、リクルート入社。2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年よりリクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)。2010年に経営者JPを設立、代表取締役社長・CEOに就任。 『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ずるいマネジメント』(SBクリエイティブ)『30代最後の転職を成功させる方法』(かんき出版)など著書多数。