TOP イマ、ココ、注目社長! ロボット労働力をサブスクリプションで提供! ーーすべての企業が創造的な生産活動に集中できる世界をつくりたい。【前編】

2020/10/07

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第114回

ロボット労働力をサブスクリプションで提供! ーーすべての企業が創造的な生産活動に集中できる世界をつくりたい。【前編】

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  • 株式会社チトセロボティクス  代表取締役 社長 西田 亮介氏

 

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株式会社チトセロボティクスは、産業用ロボットアームを用いた労働力を、初期導入費用なしのサブスクリプションで提供している会社です。ロボットの「運用サービス部分の費用」が“時給980円換算”であることが大きな話題になっていますが、導入する側にとって、より重要なポイントは、同社のサービスが《導入時コンサルティング、マニュアル作成、現場教育、ロボット導入、ソフトウェアのアップデートや修理などのメンテナンス》といった一気通貫のパッケージになっていることでしょう。このため、企業は、ロボットをこれまでより手軽に、かつ安心して導入できるわけです。同社代表取締役社長の西田亮介さんに、創業までの経緯や、産業用ロボットへの思い、今後の事業展開などについてうかがいました。

 

(聞き手/井上和幸)

 

恩師たちに導かれ、「ロボットオタク」から経営者の道へ

――西田さんは、小さいころからロボットをつくっていたそうですね。なぜロボットづくりにはまったのですか。

 

 

西田 6歳のときに『ショートサーキット』(1986年公開)という映画を観て、ロボットをつくる人にあこがれたんです。兵器としてつくられたロボットが人間と仲良くなる…というお話なのですが、ストーリーそのものにはあまり興味がなくて、ロボットをつくる技術者が格好良くて、自分もそうなりたいと思いました。

 

 

――それで作ってしまうのですからすごいなと思いますが、さらには学生時代にすでに起業されていたそうですね。どんなことをされていたのですか?

 

 

西田 19歳のときが最初の起業で、いま聞くと笑ってしまうのですが、ガラケーで特定のメールアドレスを打つとエアコンが動くという、今風に格好良く言えばスマートホームになる基板を、後付け型のシステムとしてつくって販売していました。当時、高級マンション向けに30万円くらいでそうしたキットが売られていたのですが、自分でつくれば1万円くらいでできてしまう。だったら自分で売ってみようかな、と。

 

 

――商売、ビジネス、起業へのご興味もあったわけですね。

 

 

西田 大学(立命館大学)に入ったときに、経営学部の黒木正樹教授から、「君は経営を学んだほうがいい。でなければ、ただのロボットオタクで終わるぞ。趣味で一生を終えるのか、それとも、それでちゃんとご飯を食べていくのか選びなさい」と言われたんです。それで「起業もいいな」と思いました。また、父方、母方の祖父が両方とも起業していたので、そもそも中学・高校のときから興味はありましたね。

 

 

――身近にそういった環境がおありだったのですね。しかしそれにしてもその先生は、どうして違う学部の西田さんにそういうことをおっしゃったのでしょうね?

 

 

西田 立命館大学のびわこ草津キャンパスを「BKC」というのですが、「BKCにロボットオタクがいるらしい」という噂を黒木教授が聞いたそうで、経営学部のゼミの4年生たちに、「西田君を連れて来い」と言われたそうです。

 

 

――ロボットをつくる人として、学内では有名人だったのですね。

 

 

西田 「ちょっと変わっていたから呼んでみた」と黒木教授はおっしゃっていましたが…(笑)。

 

 

――もちろん、それだけではないと思いますが、かなり大きなきっかけにはなっているのですね。

 

 

西田 はい、経営学と出会う大きなきっかけですね。

――学生時代に会社は2つ経営されていらっしゃったとか。それらは卒業時にどうされたのですか。

 

 

西田 先ほどの話は、試作機の段階でデモをしていたら、「その試作機とパテントごと買いたい」という企業さんが現れたので、「あげます」と言って終わりました。これは個人事業主の扱いです。2社目は、超音波のカメラをつくり、高齢者のお宅のお風呂場などに設置して、見守り用に、人が転倒したり、しゃがみこんだりしたときの姿勢を感知するセンサーをつくっていました。これは法人です。

 

 

――その会社は何人くらいでやってらっしゃったのですか。

 

 

西田 4人です。

 

 

――それをそのまま会社にという感じではなかった?

 

 

西田 みんな別のところに就職していきました。「このまま行っても面白いかもね」という話をしていたのですが、ある方から、「そういう学生のノリで人生を行くよりも、一回大きいところに就職して、きちんとビジネスを教えていただいたほうがいい。そのうえでもう一回起業するというのが正しい道だ」と言っていただいたんです。それで、「じゃあ、リクルートに行こうかな」と。

 

 

――リクルートに行こうと思われたのは、起業するという意識があったからでしょうが、「こういうことをやってから次に行こう」といったことを入社時に思われていましたか。

 

 

西田 いずれロボットをやるだろうとは思っていましたが、実は、私の両親、妹、祖父、叔父叔母も、みんな学校の先生なんです。ですから、ロボットの前に、教育関係の仕事は一回やっておいたほうが親孝行だろうなと思い、進学事業部を希望しました。そこでは、高校生向けの、進学先選びのアプリ開発をしていました。

 

 

――その後、リクルートを辞めて、大学の川村(貞夫 氏)研究室に入られたのはどんなきっかけだったのですか。

 

 

西田 リクルートを出てから半年ほど放浪していたら、大学(学部・大学院)時代の恩師であり、いまは当社の副社長の川村教授に、「君はちゃんと最後まで論文を書いてないから論文を書きに来たらどうか」と言われて、入学しました。

 

 

――なるほど。ちなみに放浪していた理由は、なんで?

 

 

西田 次のことがあまり決まっていなかったので…。リクルートに入社する前から、いつかはリクルートを出るだろうと思っていたのですが、現在は当社の取締役である立花(舞 氏)から、「リクルートは意外に居心地よさそうですが、いつロボットの会社をやるんですか? ずっとリクルートにいるんですか?」とたきつけられた感じがあって。「とりあえず辞めるか」と言って辞めた感じでしたからね。

 

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プロフィール

  • 西田 亮介氏

    株式会社チトセロボティクス  代表取締役 社長

    6歳からロボット製作を始める。立命館大学では、ロボット運動制御と画像認識を専攻。在学中より2度の起業と売却を経験。同大学院卒業後、リクルートに入社。新規事業領域において、アプリ開発からマネタイズまで一気通貫のビジネス開発に従事。 2018年、チトセロボティクス創業。大学で研究していた制御理論「ALGoZa」を中核とした制御ソフトウェアを開発。キャリブレーションフリーのロボットシステムを実現する。生産年齢人口の減少による労働力不足に対する解決策として、ロボット技術の活用に活路を見出し、ロボットを労働力として派遣するイメージから「いまこそ、ロボット労働力。」をスローガンとして事業を展開する。2020年7月よりロボット労働力のサブスクリプリョン「Chitose Robotics Service」を提供開始。時給980円の月額定額サービスにて提供している。東京都の最低賃金を下回る低コスト、初期費用・消耗品・メンテナンスなどのパッケージ化により、ロボットを使ったことのないユーザーでも手軽に導入できるメリットで、社会課題の解決を目指す。