2020/09/24
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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
第82回
50代でうまくいく人の無意識の習慣
- キャリア
- ビジネススキル
- 中谷 彰宏氏 作家
50歳までは、原点から離れることをずっとしていました。50歳から折り返して、いつの間にか原点の仕事を始めていくと、仕事感がありません。もちろん、新しいこともします。
これは今さら調べることではなく、自分の中にすでにあった鉱脈をもう一度、「こんな宝物があった」と気付けるかどうかです。50代は、「今までほったらかしにしていた宝物の蔵をあけた」という気持ちが湧いてくれば、ごく自然にいろいろなことができるのです。
◆子どものころに好きだったものを思い出す
中谷塾で授業をしていて、「あれ、これ、家のスナックと同じことをしているな」とデジャブを感じました。塾とスナックは、同じなのです。私が本に書いていること、みんなに教えていることは、結局、親から教わったことです。親は、おじいさんから教わったことを受け継いでいます。代々世襲しているのです。私がマナーの本を書くのも、マナー教室に通ったわけではなく、日常生活の中で「これはこうしなさい」「それは紳士的じゃないですね」と、家で教わったことが原点です。原点回帰とは、原点に戻ることだけでなく、「これは大昔からやっていたな」と気付くことなのです。
文学芸者・樋田千穂さんは、一回結婚して、離婚して、再び花柳界に戻りました。年齢も上がり、子どももいるし、売れるためには人と同じことをしてはいけないと考えました。実際、小説が好きだった彼女は、「萬朝報」の懸賞小説に応募して当選しています。彼女は、面白いからといって、藤田伝三郎にかわいがられました。さらに、藤田伝三郎の紹介で引き合わせられた伊藤博文にかわいがってもらいました。
樋田千穂さんは、芸ではなく、子どもの時から好きだった小説で成功したのです。大人になる前に好きだったものに気付くことが原点に戻るコツなのです。
◆本番は、これからだ。
50代になると、多くの人は元気がなくなってしまいます。人生を、はたち(20歳)から60歳の基準で考えて、もう残りわずかという気持ちになるからです。現代は、その先にも人生は続いています。本当の勝負はこれからです。勝負は終わったという思い込み感が、わびしさを生みます。
実際は、人生の上がりにはまったくなっていません。上がりと思った人が上がりになるだけです。経験がある分を生かしたり、脳を鍛えたりすれば記憶力や柔軟性もたくさん使えます。これまでの経験をつなぎ合わせることができます。
50代という年齢でなければできないことはたくさんあります。「本番はこれからだ、まだ始まっていない」というくらいの気持ちでいることが大切です。
なんとなく、負けた試合の消化試合のようなしょぼくれた感じは、本人が出しているだけです。自分がそう感じると、それが現実になってしまうのです。アンチエイジングでは、「気持ちはあるけど体がついていかない」というのはウソだと証明されています。体より前に気持ちがめげているのです。
これは体の問題だけでなく、仕事においても同じです。まず、「勝負はこれからだ」という気持ちを持つことです。人生100年時代では、50歳まではまったく下積みです。「これまでのことは練習で、これからいよいよ本番が始まる」と考えます。「本番はこれから」と考える人には、さまざまな無意識の習慣があるのです。
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■書籍情報
『50代でうまくいく人の無意識の習慣』
著者:中谷 彰宏
出版社:青春出版社
価格:1,485円(税込)
※この記事は、アイティメディア株式会社の許諾を得て
「ITmediaエグゼクティブ『ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術』」
の連載から転載したものです。無断転載を禁じます。
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