2020/09/24
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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
第82回
50代でうまくいく人の無意識の習慣
- キャリア
- ビジネススキル
- 中谷 彰宏氏 作家
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50代の人の悩みは、リーダーの悩みと似ています。「どうしたら、部下からリスペクトされる存在になれますか」と、相談されます。 それは、50代の人の悩みと同じです。 50代からは、 (1)尊敬される人 (2)尊敬されない人 の2通りに分かれます。 どんなにお金持ちになっても、どんなに仕事ができても、尊敬されない人がいます。そうすると、その人の幸福感はいつまでも満たされません。
結局、自分自身が年上の憧れる人を持っているかどうかです。特に、自分の年下にライバル心を燃やす女性は、年齢コンプレックスを持っています。「早くあんなふうになりたい」と、年上の憧れの目標を持っていれば歳をとることは怖くありません。憧れられる50代になるという目標値を持つことです。
若く見られようとすることを目標にしたり、若者たちと競争したりする必要はありません。競争する相手は、自分よりもっと年上の人です。そのためには、カッコいい50代以上のお手本を持つことが大切なのです。
◆50代は、第2の20代だ
「50代は、第2の20代」という意識を持つことです。最初の20代と2回目(セカンド)の20代は、どちらも20代であることは共通です。最初の20代を思い出してみると、ひたすら走りまわっていました。ただ必死に仕事を覚え、上司にもお客さまにも怒鳴られ、失敗を繰り返していたのに、それほどしんどさを感じないのは、初めての20代だからです。
2回目の20代である50代は、そこそこの役職についた後、もう1回それをすることがしんどいのです。「これだけの肩書があるのに、何で20代みたいなことをしなくちゃいけないんだ」と考える人は、うまくいきません。
「また20代ができるんだ」と考えられるかどうかです。口では「若くなりたい」と言いながら、20代のフットワークがなければ、ただよぼよぼの経験のない20代にすぎません。
それなら20代の勝ちです。会社は給料の安い20代を採ります。ファースト20代よりも高い給料をとりながら、もう1回、経験を持ってフットワークを生かす20代のような仕事をするのが50代の生き方です。
50代をただの50代と思わないことです。50代がしょぼくれている感じなのは、ラスト10年の感覚を持つからです。50代でリセットして、2回目の20代としてやり直せばいいのです。
北野武さんとお会いした時に、「何歳に戻りたいか」という話になりました。
戻る時の条件は、
(1)今の意識を持ったまま戻る
(2)今の意識が消えて戻る
という2通りがあります。
50代は、今の意識を持って20代に戻ります。その方が理想の50代になれます。20代は、経験が少なくて知らないからできないことが多いのです。今の意識を持って20代を生きると、いろいろなことができます。それなのに、余命10年のような感覚で生きるのはもったいないことです。50代から成功するかどうかの分かれ目がフットワークなのです。
◆原点回帰する人は、成功する
私自身、50歳を過ぎてからの仕事のやり方は、どんどん原点に戻っています。例えば、私は今、美術の仕事をしています。私の実家の本家は骨董屋でした。私は、本家のおじさんに「おまえ、骨董屋をやらないか」と誘われた時、断りました。それなのに、美術の授業をするようになり、実際はどんどん美術に近づいています。
私の家は染物屋でした。染物屋の事務所が私の遊び場でした。今、私はどんどん職人に近づいています。
実家は、夜はスナックで客商売をしていました。その関係で、私は30代からホテルの仕事をしています。今、中谷塾の生徒をホテルやレストランに連れていき、マナーを教えているのは、昔、自分が親から教わったことを、ただ次に伝えているだけです。
神社やお寺に行くのも同じです。両親が信心深く、子どもの時から神仏の話を散々聞かされていました。母方の先祖は神社の仕事をしていた人でした。今、神社に行って神道を説明しているのも、どんどん原点回帰しています。