TOP スペシャルコラムドラッカー再論 「経営者」に成る時、「経営者」から身を引くべき時。

2020/06/29

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スペシャルコラムドラッカー再論

第225回

「経営者」に成る時、「経営者」から身を引くべき時。

  • エグゼクティブ
  • マネジメント
  • 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

 

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「KEIEISHA TERRACE」のインタビューで、「**社長にとって、経営者とはどのような人間であると思われますか」というような共通質問をさせて頂き続けている。既に三桁に載ったその質問への回答は、共通点もありながら、経営者の皆さんそれぞれの価値観や信条を現していて非常に刺激を受けるし、様々な気づきを毎回頂く。

 

その中で、ベンチャー起業家のトップにこの質問を投げかけると、折々、「いえいえ、私はまだ経営者にはなっていませんので」と回答される方もいらっしゃる。
その「なぜ(、まだ経営者ではないとおっしゃるのか)」について、次のドラッカーの述べることと共通する部分が多い。

 

「成長の意欲にあふれた小企業がワンマンでマネジメントできる規模を超えたときにトップが行うべきことが、トップマネジメント・チームの編成である。彼自身がボスからマネジメントに脱皮するために行うべきことが、企業にとっての基幹活動と彼自身の強みを分析することである。」(『マネジメント–-課題、責任、実践』、1973年)

 

個人商店からの脱皮、というか、トップ本人よりもそれが得意なリーダーたちの参画こそが、企業が次の成長ステージに入り、起業家が経営者になるタイミングだと言えるだろう。

 

「成長するには、変化すべきタイミングを知らなければならない。それまでのマネジメントや組織構造、そして何よりもトップの役割では不適切なほど成長したことを教えてくれる兆候を知らなければならない。」(『マネジメント–-課題、責任、実践』)

 

ここでドラッカーは非常に面白いことを言っている。おそらくすべての起業家が、「そうそう!」と思う経験をされていると思う。

 

「ここに確かな兆候がある。急成長を遂げてきた小企業や中企業のトップは、部下を自慢しているものである。それでいながら、どの部下も準備ができていないと感じるようになる。これこそまさに変化の必要を示す兆候である。」(『マネジメント–-課題、責任、実践』)

 

トップにとって、「次の段階として任せるタイミング」「いつ、どこまで任せるか」の判断は、非常に難しいものだ。
任せたい、でも大丈夫か。まだ自分のほうが判断や行動が優れている(本当か?)。
掛け値なしに、まさに孫正義さんのように、「やっぱり、まだもう少しやりたい」という本音もそこには入り混じる。

 

「何をおいても、自らが会社の成長を本当に望むか、会社は本当に成長できるかを考えなければならない。」(『マネジメント–-課題、責任、実践』)

 

ドラッカーは、トップがその役割と行...

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プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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