2020/03/13
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異能の経営者 ~ I know. ~
第26回
【横山裕一氏】ゲームで人生が変わった。僕は間違いなくそんな人間の一人(Vol.1)
- キャリア
- 経営
- 経営者インタビュー
- 横山 裕一氏 株式会社アールフォース・エンターテインメント 代表取締役社長/ゲーム職人
――ゲームのリスト化?
中山くんはこのゲームを持っている、山内くんはこのゲームを持っている、という人別のゲームソフト所持リストを作って、例えば、鈴木くんが「俺、ドルアーガの塔で遊びたいな」と言ったら、「それ、横井が持っているよ」と教える。さらに横井くんのところに行って「鈴木がドルアーガの塔で遊びたがっているけど貸してええか?」と聞き、OKとなったら「これ鈴木が持っているゲームのリストだけど、この中から遊びたいゲームを選んで」と、ゲームの貸し借りをセッティングするんです。
――また、おもしろいことを考えますねぇ。
一見、何の得もないように見えるんですが、これをやっていると、色々なゲームのカセットが僕のところに集まってくるんです。で、貸借の途中にゲームを(ファミコンを持っている)別な友達の家で遊んでから、相手に渡すわけです。これで、僕も色々なゲームで遊べる!
――プラットフォーマーですね(笑)
さらに、中学時代には、ゲームを買ってくる代行業を始めました。当時、人気のゲームは並ばないと買えなかったけれど、おもちゃ屋さんと仲良くなっておいて「まとめて買うから(優先的に)売ってくれ」と頼みました。
また、まとめ買いするといくらか値引きをしてくれるので、それを手数料として友だちから貰っていました。
当時のファミコンのカセットって箱にシールとか貼ってなかったんですよ。ですから、買ったゲームを友だちに渡す前に、また別の友だちの家に持って行って1回遊ぶ。
――その手法は健在で(笑)。
当時の友だちには申し訳なかったですけどね。「新しいゲームが発売日に入手できた」と喜んでいるのに、実は僕がすでに遊んでいるという…。
――自動セーブとかがまだなくて良かったですね。あったら「あれ、もうキャラクターに名前がついてる」なんて(笑)
そんな面倒くさい事をしてまでも、とにかくゲームで遊びたくて仕方がなかったわけです。親に禁止されていた分、余計に渇望感もあったとは思いますが。
――そのゲーム好きは、今のアールフォースさんに繋がっていると思いますか?
それは間違いなく繋がっていると思います。僕は、ゲームによって人生を変えられました。
弊社の理念は「お客様に尊敬され、お客様の人生を変えるエンターテインメントを創造する」。それはまさに自分の原体験から来ていますし、メンバーの中にも同じような経験をしている人は多い。小さいときに遊んだゲームから、大切な何かを貰ったからこそ、僕達は今ゲームを制作する立場に立って、今度は次のお客様に大切な何かを伝えようとしているのです。
【第1回 異能ポイント】 | |
◎目的を達成するための工夫はとことんする。 どうすればできるのか、考え抜く。 |
(構成・文/阿部志穂)