2020/02/17
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私が経営者になった日
第34回
【はくばく 長澤氏】会社を継ごうと真っ直ぐに生きてきた。(Vol.1)
- キャリア
- 経営
- 経営者インタビュー
- 長澤 重俊氏 株式会社はくばく 代表取締役社長
●東大に進学、自分の弱さも初めて知った。
経営者になるために一番いいであろうことを選んで、県下一の進学校から東京大学に進学。あくまで経営者になることがゴールだから、学問を極めようという気はない。東大に入ったら、とにかく運動をしようと体育会ラグビー部に入部する。「ポジションはフォワードだったのですが、1年のときはチームが弱くて1勝8敗。協力し合わないと強くなれないのに、最後はバックスとフォワードが分裂して。弱くなると、自分を反省するのではなくて、お互いの非を言い出すようになるんですね。その上、僕自身が基礎体力ないから、すぐにけがをしちゃう。普通の練習に戻れるようになっても厳しい練習が嫌で“もう1週間ぐらい休もうかな”と。それまで感じたことがなかったけれど、自分にもそういう弱さがあることを知りました。」
しかし、同じように体格的にも恵まれていない慶應がその年に日本一になったことに触発されて、チームは一変。厳しい練習を積み、2年生で4勝5敗、3年生ではついに慶應を破り、東大ラグビー部史上語り継がれるようになる。
●プレッシャーに負けて日和った自分を後悔。
「4年になるときにね、東大の場合は、前のキャプテンが次のキャプテンを指名するという慣習がありました。その時、候補が私を含め4人いて、ただ1人の現役入学で年下の私が指名されたのです。」ここで長澤氏はその後、ずっと後悔をすることになる行動をしてしまう。
「なまじ慶應に勝ってしまったものですから、翌年へのプレッシャーがすごい。人生初めてのこのプレッシャーに、私はビビッて逃げました。“やります”と言わずに、“ちょっと待ってください。話し合いで決めますから”と。で、結局、他の人間がキャプテンに選ばれました。」
下級生にもいい選手がいて、一番強い最高のチームと言われたのに、その年、結局、慶應には僅差で負けてしまう。
「そう言う厳しい戦いの中で本物のリーダーとして成長する機会を自分から放棄したことを悔やみました。だからそれ以降は、そういうことは絶対逃げないようにしようと固く自分に誓いました。」