2020/01/20
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私が経営者になった日
第31回
【ワコム 井出氏】ロジックだけではない反骨と使命感で。(Vol.1)
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- 経営者インタビュー
- 井出 信孝氏 株式会社ワコム 代表取締役社長兼CEO
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社長に任命された日=経営者になった日ではありません。経営者がご自身で「経営者」になったと感じたのは、どんな決断、あるいは経験をした時なのか。何に動かされ、自分が経営者であるという自覚や自信を持ったのでしょうか。
液晶ペンタブレットやデジタルペンなどを主力商品とし、最近ではデジタルインク技術の開発と普及の推進により世界150カ国以上で事業展開する企業、株式会社ワコム、代表取締役社長兼CEO井出信孝氏に3回にわたってお話をうかがってみました。
【vol.1】ロジックだけではない反骨と使命感で。
【vol.2】I was born to be here.
【vol.3】長い時間軸で企業価値を存続させるために
●どうする?自分がやるしかないんじゃない?
「今日は、いわゆるカッコ良い話に終始しないようにしたいと思っているのですけれど」と井出氏は話し始めた。「将来、経営者になりたいとか、ましてや “ワコムで社長になってやろう”という気は本当になかったです。ただ、会社として厳しい局面に立たされた時、『ここは自分がやるしかないのではないか』という覚悟が明確になっていったのを覚えています。そして、“自分がいなかったらどうなるだろう”ということを本気で考えました。“会社全体の代表になる、会社全体を引っ張るということは、どういうことなんだろう”と」。
2013年、大手家電からワコムに転職した井出氏は、テクノロジー・ソリューション・ビジネスユニットの事業部長を担当。テクノロジー・ソリューションの事業は、ペンタブレットのブランド製品でクリエイターやアーティストの方々から圧倒的な知名度を持つワコムが、同社のデジタルペンの技術をOEM事業として展開している事業であり、当時は、社内において、「分家」のような扱い、さらに、、会社全体が目指す方向もいま一つ明確に見えておらず、意思決定の感覚も自分とは違うと感じていたそうだ。