2019/11/07
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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
第54回
矛盾の中、顧客の深層心理の中にこそビジネスチャンスがある
- キャリア
- ビジネススキル
- 小野 正誉氏 トリドールホールディングス 経営企画本部 社長秘書・IR担当
「食べ物を売り空腹を満たすビジネス」から、「食べるという喜びの体験を売るビジネス」に変化していく。このチェンジができるかどうかに成長のカギがあります。
人手不足、それによる人件費の高騰など、環境が厳しいなかで、利便性から付加価値に重きをおいたものに移行していかなければいけません。大きな課題ですが、それを超えた先には、限りない可能性が広がっているはずです。
◆お客さまの「欲しい」をいかにして掘り当てるか?
お客さまのご意見・ご要望(アンケートなど)をもとにつくったメニューは売れない、という「外食あるある」の話があります。どの企業もお客さまがなにを望んでいるのかをリサーチし、ヒットとまではいかないまでも、しっかりと支持される商品をつくり世に出したいと思っています。もちろん丸亀製麺でも、積極的にお客さまの声を拾うようにしています。でも、それを反映させたものをつくっても売れない。
例えば、ヘルシー志向の野菜たっぷり系のものやボリュームの少ないもの。健康に気を配ったり、体形を気にしたりする人にとって、このようなメニューはよさそうですよね。現に意見や要望も多いので、これはウケるに違いないと思って開発したら売れない、という現実が待っています。
なぜ、売れないのでしょうか。それは、頭のなかで顕在的にいいと思ったり欲しいと感じたりするるものと、深層心理で欲しいものは違うということです。
豚カツ店で、お客さまの要望を反映してボリュームの少ない商品をメニューに増やしたら、売れなかった。豚カツ店に行く動機として、「今日はがっつり食べたい!」という心理があるということなのでしょうね。
日頃食事制限やダイエットしているかもしれませんし、今日こそは、ハンバーガーを食べたい! 豚カツを食べたい! という風に。
実際、丸亀製麺の期間限定のフェア商品でも、野菜たっぷり系のものはヒットせず、むしろ肉系のカロリーが高いものが受けます。ダイエットをしていても、お酒を飲んだ後にラーメンを食べたくなるのも同じですね。それがたまらなくおいしく、満たされるのです。それは、深層心理を満たしているからなんですね。
時代の流れやお客さまの嗜好の変化にも敏感に対応していかなければいけませんが、奥底に沈んでいる「欲しい」を掘り当てないといけません。お客さまは、心の奥底にあることはなかなか話してくれませんから。
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■書籍情報
『「丸亀製麺」で学んだ 超実直! 史上最高の自分のつくりかた』
著者:小野 正誉
出版社:ゴマブックス
価格:1,628円(税込)
※この記事は、アイティメディア株式会社の許諾を得て
「ITmediaエグゼクティブ『ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術』」
の連載から転載したものです。無断転載を禁じます。
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