TOP ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術 「0秒で動ける」ようになるための頭の働かせかた、鍛え方

2019/10/03

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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術

第49回

「0秒で動ける」ようになるための頭の働かせかた、鍛え方

  • キャリア
  • ビジネススキル
  • 伊藤 羊一氏 武蔵野大学 アントレプレナーシップ学部学部長 Musashino Valley代表 LINEヤフーアカデミア学長 Voicyパーソナリティ
 

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◆動ける人と動けない人は思考や行動に明確な差がある。
思考方法を中心に、「どうしたらすぐ、動ける頭になるのか」を考えてみよう。

ビジネスパーソンにとって「行動する」ということはとても大事なこと。仕事において何か実績を上げようと思ったら、または何か変革しよう、と思ったら、まずは行動していかなければ、何もはじまらない。   ただ、この「行動する=動く」ということが難しい。実は、動ける人と動けない人は思考や行動に明確な差がある。 ここでは、思考方法を中心に、「どうしたらすぐ、動ける頭になるのか」を考えてみよう。   すぐ動けるためには「思考のスキル」が必要だ。そして思考のスキルとは、動くための「結論」や、そこにつながる「根拠」を頭の中で組み立てる力、「結論と根拠のピラミッド」をつくる力だ。

これがさくっと力強く作れれば、その結論に従って行動すればよい。そのために、いくつかのポイントがある。

 

 

(1)直感に基づいて「頭出しの結論」を出す

 

(2)結論から根拠に向かう

 

(3)仮説力を鍛える

 

(4)「すげー、やべー力」を鍛える

 

 

それぞれについて見ていこう。

 

(1)直感に基づいて「頭出しの結論」を出す

「結論と根拠のピラミッド」(図1)は、論理思考を学ぶと必ず出てくる。これを作るのに苦労した方も多いだろう。かつ、勉強した時になんどもこのピラミッドを作る練習をしたものの、実務や生活にはどれくらい活用できているだろうか。私自身は、仕事や日常のあらゆる局面で、行動する前提として、この「結論と根拠のピラミッド」を瞬時に作っている。
なぜ瞬時に作れるのか。それは、「直感」に頼るからだ。思考に思考を重ねて結論と根拠を詰める、というより、直感で、「ざっくり、ささっと」ピラミッドを作ってみるのだ。この時に大事なのは、正確さより、その結論と根拠で、自分はワクワクするだろうか、行動できるだろうか、ということ。そこで、いいね!と感じたら、ひとまず行動に移してしまう。

 

これは、何も考えずに飛び込みなさい、というのとはまったく違う。「ざっくり、ささっと」ピラミッドを作ることを繰り返すと、あらゆる局面で、このピラミッドがすぐに頭に浮かぶようになるのだ。さらに、頭の中で考えたことは、大抵、実際に行動してみないと、それが正しかったかどうか分からない。そこで、ラフにピラミッドを作り、その結論と根拠に基づいて行動してみて、自分の思考が正しかったかどうか検証してみる、ということで思考の質を高めることができる。要するにPDCAのPで止まっていないで、Cをきちんと行おうね、ということだ。そのために、最終結論、ではなくて「頭出しの結論」を出してみるといい。

 

(2)結論(上)から根拠(下)に向かう

この「結論と根拠のピラミッド」は、もともと経営コンサルタントなどが、さまざまな事象を「意味のある固まり(メッセージ)」にまとめ、それを根拠として得られる結論を出していくツール、として活用されてきた。たくさんの事象を整理し、まとめて、ピラミッドにおける根拠となり、その根拠を3つくらい抽出して考えてみると、ある結論が出てくる。つまり、元来の「正しい」使われ方としては、「下から上に」思考を練り上げていくイメージだ。

 

しかしこれを私は、「上から下に」考えてみると「ざっくり、ささっと」ピラミッドが作れるよ、と言っている。どういうことかといえば、(1)で、「頭出しの結論」を出したら、それを基に、「なんで自分がこういう結論を出したのかというと」と、根拠を後付けで考えてみる。そうするとこの結論と根拠のピラミッドは、すさまじく簡単に作れるのである。

 

経営コンサルタントは、3カ月かけて、下から上にピラミッドを練り上げて一つの結論を出していくわけだが、私が勧めているのは、それとは全然違う頭の使い方をしよう、ということだ。企業研修やワークショップなどで実際にやっているから断言できるが、上から下にピラミッドを作ることは誰でも、数分あれば簡単にできる。そしてそれを繰り返すことで、瞬間に作れるようになる。

 

(3)仮説力を鍛える

とはいえ、何もないところからいきなり、結論と根拠のピラミッドを作る、というのは、そうは言っても慣れが必要だ。これを劇的に簡単にするために私がしているのは、「仮説ベースの妄想」をたくさんする、ということだ。

 

プロフィール

  • 伊藤 羊一氏

    伊藤 羊一氏

    武蔵野大学 アントレプレナーシップ学部学部長 Musashino Valley代表 LINEヤフーアカデミア学長 Voicyパーソナリティ

    アントレプレナーシップを抱き、世界をより良いものにするために活動する次世代リーダーを育成するスペシャリスト。2021年に武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)を開設し学部長に就任。2023年6月にスタートアップスタジオ「Musashino Valley」をオープン。「次のステップ」に踏み出そうとするすべての人を支援する。また、LINEヤフーアカデミア学長として次世代リーダー開発を行う。代表作「1分で話せ」は60万部超のベストセラーに。

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