TOP スペシャルコラムドラッカー再論 小企業のトップがやらなければならないこと(3)。

2019/09/09

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スペシャルコラムドラッカー再論

第187回

小企業のトップがやらなければならないこと(3)。

  • エグゼクティブ
  • マネジメント
  • 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

 

(VOL.185)、前号(VOL.186)に続く。

 

これまで2回にわたり、小企業のトップがやらなければならないことを見てきた。

 

第一に、小企業こそ戦略を持たなければならない。
第二に、トップマネジメント・チームのメンバーの役割を組織化する必要がある。
第三に、小企業には人材が足らない。ゆえにトップは、集中が不可欠だ。

 

そしてドラッカーは第四として、小企業は独自の情報システムを持たなければならない、と言う。

 

「小企業は人も金も限られている。すべての資源を成果に結びつけなければならない。」(『マネジメント–-課題、責任、実践』、1973年)

 

まず小企業においては、追加資金を得ることが難しい。いつ、どのように追加資金が必要になるかを予期しておかなければならないし、財務基盤を超えた資金需要を発生させることはご法度だ。小企業においては、たとえ事業が好調であっても、必要とする追加資金を手にするには時間を要する。

 

また、小企業においては経営環境の変化をいち早く察知する能力がなければならない。その繁栄は、自らのニッチ内での成功如何にかかっている。したがって小企業はニッチ内の変化はすべて掌握していなければならない。通常の経理上の数字の把握だけでは不十分なのだ。

 

更には、小企業においては、社内の鍵となる重要な人物がどこにいるかも知っておかなければならない、とドラッカーはあえて言う。
小企業が故に、「誰が、何を、など、もちろん全員知っているよ」。おそらく皆さん、そう言うだろう。私自身も正社員20名内のベンチャー企業経営者として、そう思っている。
しかし、その個々人について本当に、成果をあげることを担当させているか、それとも問題を処理することを担当させているのか、分かっているか、とドラッカーは我々に問いかける。どうだろう?

 

顧客についても同様だ。小企業は、下手をすると自社にとっての超大口2、3社に依存し、残りを数百社に分散しているという場合がある。(ここは当社は大丈夫だ。いっとき、某・仕入れ原価先がそのような状況になりかけた時期があり手を打った。現在はその切り離しに成功している。)
そのような状況が、どれほどの危険を意味しているかを知らなければならない。

 

「小企業が必要とする数字はそれほど多くない。しかも必要な数字は簡単に手に入る。精密さは必要ない。しかし小企業が必要とする数字は、経理から得られるものではない。それは事業の現況と将来への備えに関わる数字である。」(『マネジメント–-課題、責任、実践』)

 

小企業...

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プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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